公園の茂みの向こう側には長身でがっしりした体形の人物(おそらく男)が、キャップを深めに被って顔が見えないようにし、手に凶器になりうる長い棒を持ち、股を大きく開いて仁王立ちしているところだった。さらには、棒を持った腕を上にあげて――これは、きっと、誰かを殴る所であるに違いない!

 ああ、さっき聞こえて来たブオン、という音は、人を棒で殴る音だったに違いあるまい!

 この平和な町で、まさかこんな不穏で血なまぐさい事件が起こる日が来るとは、考えたこともなかったのに。