すぐに察した松本くんが名乗り上げると、

「松本くんですね。それでは意見を聞きましょう」

司会者はほほ笑み(さっきとほとんど同じほほ笑みだ)、発言を促した。

「僕は副委員長は一、二年がすべきではないと思います。前副委員長さんの例のように、いくら既知の仲でも仕事がしにくいことに変わりはないと思います。何も仕事相手は委員長だけではなく、他の三年生も相手なわけですから、絶対に遠慮が出てきてしまうんじゃないでしょうか」

 拍手喝采ものだった。わたしなんかは今すぐスタンディング・オベーションで彼を讃えたいほどだった。他の一年生や二年生にしてもその思いは変わらなかったはずだ。

 松本くんの発言には他の人々を納得させる落着きがあった。