三年一組の教室を開けると、すでに数クラスの会計委員が集まっていて、黒板には「第一回 会計委員会」と簡潔に書かれている。適当な隣り合わせの席に二人揃って腰かけようとした、まさにその時だった。
「おや、星野さんではありませんか。それから、松本くんも」
教室の隅っこから掛かった声に、わたしはまたか、と肩をがっくり落とした。
見れば白い顔に細い縁の眼鏡をかけた人物が、いつも通り何食わぬ顔でわたしたちの方に視線を向けていた。
もちろん、小神である。
さっきまで松本くんの健康的に日焼けした顔を見ていたせいか、小神の顔の白さがいつになく際だち、白い仮面をかぶった人物か、あるいはお化けのようにしか見えない。
「……なんでいるんですか。この教室、今から会計委員で使うんですよ。部外者は早く出て行かないと、邪魔ですよ」
「それなら全く問題ありませんよ。私も会計委員ですから」
間髪置くことなく繰り出された回答に、わたしは唖然とした。小神の回答が意味するところはただ一つ。
……こいつと定期的に顔を合わせることになるってことか!
始まる前から会計委員の職務に対するやる気がぐんぐん降下している。嫌だ嫌だ、誰か交代してくれ……。
「おや、星野さんではありませんか。それから、松本くんも」
教室の隅っこから掛かった声に、わたしはまたか、と肩をがっくり落とした。
見れば白い顔に細い縁の眼鏡をかけた人物が、いつも通り何食わぬ顔でわたしたちの方に視線を向けていた。
もちろん、小神である。
さっきまで松本くんの健康的に日焼けした顔を見ていたせいか、小神の顔の白さがいつになく際だち、白い仮面をかぶった人物か、あるいはお化けのようにしか見えない。
「……なんでいるんですか。この教室、今から会計委員で使うんですよ。部外者は早く出て行かないと、邪魔ですよ」
「それなら全く問題ありませんよ。私も会計委員ですから」
間髪置くことなく繰り出された回答に、わたしは唖然とした。小神の回答が意味するところはただ一つ。
……こいつと定期的に顔を合わせることになるってことか!
始まる前から会計委員の職務に対するやる気がぐんぐん降下している。嫌だ嫌だ、誰か交代してくれ……。