そう口にしてから、自分自身で驚いた。

 と同時に、ショックだった。

 普段から「何事にも本気になれない」と感じているわけではない。

 なのにどうしてだろう。ふいに口から飛び出して来たことばであるのに、それはわたしの今の姿を的確に言い表している。

 自分で自分のことばに傷つきながら、わたしは苦笑いを浮かべた。松本くんが、怪訝な顔つきでわたしのことを見つめていたからだ。きっと相当傷ついた表情をしてしまっていたのだろう。

 我ながら、情けない。

「じゃあ、松本くんの邪魔しても悪いし、わたしこれ買って帰るね」

 あわててわたしはその場から立ち去ろうと、財布と参考書を手にレジへ足を向けた。同じクラスになったばかりの人に、わたしったら重い告白をしてしまった。

「星野」

 一歩二歩と足を進めたところで、松本くんが呼びとめた。足を止め、振り向く。

「あのさ、お前って……」