二時間目以降もこうしてわたしは彼に注意を払い続けた。彼がどんなふうにして授業を受けているのか、その技を盗みとってやろうとばかりに気持ちを集中させた。

 しかし、やはり席が真後ろであるからなのか、その実態は微塵も明らかにならないまま、昼休みに突入してしまった。


「かおるー、お昼ごはん、中庭で食べない?」

 一年から引き続き同じクラスになることのできた友人二人が、弁当包みを持って誘ってきたため、わたしは気分を切り替えて中庭に移動した。

 わたしたちはできるだけ昼食は弁当にするようにしていた。食堂は居心地がいいのだが、不経済だ――というのはタテマエで、単にわたしは小神に会いたくないがゆえに弁当を持参することにしているのだ。