「駄目です。食べたいのなら今すぐあなたの目の前にあるギョーザを食べきり、再びカウンターへ戻って日替わりランチCを注文してくることです」

 わたしは勝利の微笑みを浮かべ、ぶりの照り焼きに箸をつけた。

 一口大に切ると、そのまま口の中へ運ぶ。

 うむ。美味なり。

 わたしは目を閉じ、新生した食堂の日替わりランチを味覚だけで楽しむ。

 食堂にしては上出来の味付けに、舌鼓を打つ。

 これならわが校のどれほど味にうるさい生徒をも――いや教職員をも黙らせることが可能であろう。

 以前までの食堂で提供される魚料理にありがちだった魚特有の臭みは姿を消している。



 そこまで考えてから目をふと開けると――