わたしがそれから聞き返しても松本くんは返答をごまかすばかりで、結局彼が小神の一体どこに嫉妬したのかはわからず仕舞いとなってしまった。
気になるなあ……。
「でも俺が嫉妬していたのは実は小神先輩だけじゃないんだよ。本当のところ、一番星野に嫉妬していた。嫉妬、というか、羨望かもしれない」
「えっ!? わたしが羨ましいって!?」
驚愕の告白にわたしの声が裏返った。
ちょうど水を注ぎに来てくれていたウエイターがびっくりしてしまい水をこぼしてしまった程度には裏返った。
申し訳なさそうにウエイターがテーブルにこぼれた水を拭き取るのを見届けてから、わたしは改めて松本くんの発言の真意を問うた。
「星野は自分自身に対して正直なんだよ。去年、食堂で小神先輩に反論する星野を見てそう思った」
何のことかと疑問に思い松本くんに尋ねると、去年の五月、わたしが食堂で初めて小神と出会った時の光景を松本くんはすぐそばで聞いていたのだという。
日替わりランチを頼むわたしに「ナンセンス」だと難癖をつけた小神と、あくまでも自分の意思を貫くわたしの姿。
「……そんな不毛なやり取りが聞かれていたなんて……!」
恥ずかしい! しかも聞いたなら聞いたで、すぐに忘れてほしかったな……。
気になるなあ……。
「でも俺が嫉妬していたのは実は小神先輩だけじゃないんだよ。本当のところ、一番星野に嫉妬していた。嫉妬、というか、羨望かもしれない」
「えっ!? わたしが羨ましいって!?」
驚愕の告白にわたしの声が裏返った。
ちょうど水を注ぎに来てくれていたウエイターがびっくりしてしまい水をこぼしてしまった程度には裏返った。
申し訳なさそうにウエイターがテーブルにこぼれた水を拭き取るのを見届けてから、わたしは改めて松本くんの発言の真意を問うた。
「星野は自分自身に対して正直なんだよ。去年、食堂で小神先輩に反論する星野を見てそう思った」
何のことかと疑問に思い松本くんに尋ねると、去年の五月、わたしが食堂で初めて小神と出会った時の光景を松本くんはすぐそばで聞いていたのだという。
日替わりランチを頼むわたしに「ナンセンス」だと難癖をつけた小神と、あくまでも自分の意思を貫くわたしの姿。
「……そんな不毛なやり取りが聞かれていたなんて……!」
恥ずかしい! しかも聞いたなら聞いたで、すぐに忘れてほしかったな……。