そう口にしてから、

「本当は俺、少し小神先輩に嫉妬していたのかもしれないな」

と付け足すように呟いた。

「嫉妬?」

 それは金銭的に余裕のある家庭で育った小神に対するうらやましさのようなものなのだろうか、とわたしが首をかしげると、慌てたように、

「いや、経済的な問題じゃない。もちろん、金銭的に何も心配のいらない人生っていうのは羨ましいけどな」

 松本くんは否定した。経済的な問題ではないようだ。

 とはいえ運動能力も松本くんは優れているし、成績は学年トップだという。

 ほかにうらやましく思うところなんてあるだろうか?

 そこまで考えてから、わたしははたと思い当たる。



「じゃあ、あのルックスに嫉妬してたの!?」