松本くんと二人きりってわたしは何を話したらいいんだろう。

 小神は一体どういうつもりで野球のチケットなんてわたしにくれたのよ。

 っていうかわたし野球観戦なんてしたことないからなに持っていけばわかんないし、どんな服着たらいいの?
 野球観戦でスカートってあり?
 なし?
 デーゲームだから日焼けするかも?

……なんてことを家にいる間も学校にいる間も、四六時中悩んでいるうちに、あっという間に約束の土曜日がやってきた。

 結局普段着同然のTシャツにジーパン、キャップにタオルという女らしさをアピールするにはかなりベクトルの違う出で立ちでわたしは家を出た。

 べ、別に松本くんに女の子らしさをアピールしたいなんてこれっぽっちも思ってないんだからね!

 だからこんなカジュアルど真ん中の服装にしたんだからね!

 と自分に言い訳しつつ、わたしは駅へと向かう。