この台詞はわたしが考えたものではない。

 どうやって誘えばいいのか、頭を捻れども捻れども捻れどもさっぱりわからぬわたしに、呆れ交じりに小神が教えてくれた台詞を、一字一句違えることなく口にしただけのことである。

「いいよ。行こう。俺が解説するよ」

 今にも飛び跳ねそうな勢いで承諾され、わたしは安堵する。これで断られていたらお年頃の女子としては結構アイタタなところであったが。

 それから松本くんと連絡先を交換し、晴れてわたしは小神に課されたミッションの第一をクリアしたのであった。

 こうしてミッションの第一段階はクリアできたものの、課題は残る。