「嘘でしょ……松本くんがわたしに……?」

 絶対わたしの真相を見れば落胆してしまうに違いない。

 そんな風に言われてしまうと、かえって力が入って今後松本くんとどう接したらいいかわからないではないか。

「正直、松本くんは星野さんのことをやや買い被っているように思います」

 ストレートな小神の感想。しかし小神の意見に、わたしも大いに同意する。

「どうしてこんなことになっちゃったんでしょうか……」

 はあ、と大きくため息を吐く。何だか気が重い。人から過剰な評価をされるのって、過小評価よりひょっとしたら精神的に負担なのかもしれない。

「私は、正直に言って松本くんのことがずっと心配です。松本くんの夢を覗き見た当初から、彼の人生はこんなものでいいのか、ただそれだけが心配でならないのです。松本くんの、ほとんど変わり映えのない夢をほとんど毎晩見続けることは、私にとって心的負担の重なるものでした」

「そうでしょうね……」

「私がやっと松本くんの夢から解放されたのは、その一ヵ月ほど後のことでしたでしょうか。私はある夜、またしても他人の夢の中にいました」