「……いいですか、人を選ぶことはできても、知りたい心理に焦点を当てることはできませんからね?」

「はいはい、わかりましたって」

 うっかり残念な表情を浮かべてしまっていたらしく、小神が牽制の一言を放った。

「私が夢を覗き見る能力を持っている間に夢を覗いた人の数はそれほど多くはありません。一番初めに見たのは、私にこの能力を譲ってくれたまさにその女性の夢でした。そのころ私は随分と彼女と親しくしていましたからね」

 そこで小神はちらっとわたしの顔を窺った。

「……」

「……嫉妬してはくれないのですか」

「誰が誰に嫉妬するんですか!」

 さっきから何なんだ? この「私の恋バナに興味持ってください」アピールは!

「いいから話を先に進めてください!」

「わかりました。これがいわゆるツンデレというものなのでしょうね……」

 違うっての。