「寂しい人生で悪かったですね」

 小神の人生はさぞかしにぎやかなことだろう。毎日カーニバルが催されているに違いない、頭の中で。

「私が超能力と呼んだものはれっきとして存在しているものなのです。とはいえ、それはずば抜けた暗算能力や速読、あるいは絶対音感の類のものを意味しているわけではありませんよ」

 その小神の言葉がさらにわたしを混乱させた。

 確かに、フラッシュ暗算の達人なんかを見ていると「これって超能力の一種みたい」と思ってしまうことがある。

 でも今小神が言っているのはそう言ったどちらかというと平穏な類の超能力のことではないらしい。

 ソッチの超能力ではなく、アッチ――すなわち、「ヤバい」方の超能力のことなのだ。

 本当にそんなものが存在するのか?