プロフィール
2020年3月6日付の編集部オススメ小説として「LOVE(LESS)ROID」を掲載していただきました。
5月15日に『(ぼくにも こころが あるんだよ)』公開しました。
6月30日に『僕らのひだまり』完結しました。
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洗濯部って何だろう。そう疑問を抱きながら書店で手にした一冊でした。本を開く前は「学校内で出た洗濯物を洗う部活かな」と単純に考えていましたが、まさか「心をも洗う洗濯部」だったとは。
題材がユニークで非現実的な設定もあるのに、登場人物一人一人の背景や言動がとても身近に感じられ、それぞれの等身大の想いをそのまま受け止めて読み進めることが出来ました。また、終始あっと思わせる設定・展開が多く、読む手が止まらなかったです。
六月二十五日以降の葵や真央くん、それに日向に紫苑はどんな日々を過ごしていくのでしょう。気になる終わり方ではありますが、きっと晴れやかな日もくすぶった曇天の日も、はためいていった彼らは充実した毎日を送っているのだろうなと穏やかな気持ちで感じることが出来ました。
幸せになる為に自死を決意した人間はここまで心や行動を解放できてしまうのか、と感じる始まり方。読み進めると、ああこの子は心が解放できたのではなく心が死んでしまったんだなと思う一方、具体的な理由が中々描写されないだけに気になるもどかしさもありました。それは「今日死ぬから」とわざわざ発言するのが引っかかったから。そして後半で明かされる主人公の心の内。生きる事に希望を見出せなくなってしまった主人公は、最期に自分を肯定してほしかったのかと納得しました。正反対のナガトとお互いを受け入れ、彼の秘密(これにはあっと驚かされました、この作品で一番要となる設定でしょう)を知って考えた上で、辿り着いた結末。「最後はやっぱり生きることを選択するのかな」と思っていただけにラストは衝撃だったと同時に、何だかしっくりきました。決して読了後に暗い感情にならないのはこの作品の大きな魅力で、様々なことを考えさせられました。
文通なんて古臭く手間がかかる、という今の時代だからこそ物語の中での文通が生きた設定になったのではないかと感じました。私が執筆している側の人間だからか、言葉だけで想いや時間を積み重ねていく二人の関係性にぐっと来ました。そこに嘘はなく、ラストの展開・嘘の勘違いは読み手も何だかすっきりとするような、関係性に偽りはなかったのだという安心感を抱けました。
全体的に会話がスムーズでとんとんと進んでいくのも、物語の長さに合っていてしっくりと読むことができました。また、「ひっそりと同封された、春のおすそわけ。」、「彼はまた、春を贈ってくれた。」という表し方もとても粋で素敵でした。
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