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はづきこおり
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ネタバレ
深い闇にのまれないように精いっぱいだった
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いつしか日が落ち頭上は深い青に染まる。それはまだ完全な闇ではない群青の空である。
しかし空は変化する。
星が流れ、月が満ち、朝の光を受けて群青から徐々に薄青へと変わっていく。

重いテーマを扱っているにもかかわらず手記という体裁をとったことで沈鬱さが和らぎ、彼の運命がいつ訪れるのかとハラハラしながら一気に物語を追いました。

罪を頑なに抱きしめていた渡が恒によって少しずつ光に向かって歩んでいく姿が微笑ましく、そのぶん結末には胸が詰まります。
2人を無意識下で支えていた深空の存在が群青の空のように優しく、切ない。

僕らにだって諦めないことはできる。
恒の言葉に、渡はどれだけ救われただろう。

人が変わる瞬間にはいつも大切な誰かが傍にいる。
素敵な作品をありがとうございました。

2016/09/13 22:57
青春・恋愛 146ページ ・総文字数82,894
ネタバレ
陽鶴の強さ
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本筋とはちょっと逸れますが、私がこの作品で一気に引き込まれたのは陽鶴が『くやしい』と大きく感情を揺らした場面からでした。
美月が見えるのに、信じてもらえないくやしさ。そこから怒涛の一気読みです。

想い合うふたりが目の前にいるのにお互い触れられない場面では、陽鶴と一緒に思わず涙が…。

死んだ自分にとらわれてほしくないと願う美月の気持ち
それでも失いたくないと縋る園田の叫び
そのどちらも受け止めて耐える陽鶴
そんな彼女を支える穂積

切ないです。

陽鶴、なんて強い子なの…!と読み終わってじわじわ感じています。
美月ちゃんも素敵な女の子だったけれど、私はやっぱり陽鶴の心の強さこそ最強だと思いました。
(そして私の中では穂積エンドです(笑))

素敵な作品をありがとうございました。

2015/11/09 12:56
青春・恋愛 202ページ ・総文字数138,464
予測不可能な秘色色の日々
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『制服を着て、私たちは毎日、戦っている』 クーデターと表紙の言葉から勝手に『ヒエラルキー最下層軍』が理不尽なピラミッド構造をぶち壊すお話を想像したけど、そんな単純な話ではありませんでした。さすが作者様。 日常をぶっ壊そうと声をあげた反乱軍に、どういうわけか上位層の人まで参加…!? 予測のつかない展開にぐいぐい引き込まれて、登場人物たちの切実な声にグサグサ胸をえぐられました。 見るもの触れるものすべてが鋭く心に迫る、剥き出しの彼女たち。 友達や、親や、自分と、向き合うことが、どれだけ怖いか。 声に出すこと、耳を傾けることが、どれだけ大切か。 変わらないかもしれない。でも、踏み出すことに意味がある。 心に、晴れ渡る空。 秘色色(ひそくいろ)、素敵でした。

『制服を着て、私たちは毎日、戦っている』

クーデターと表紙の言葉から勝手に『ヒエラルキー最下層軍』が理不尽なピラミッド構造をぶち壊すお話を想像したけど、そんな単純な話ではありませんでした。さすが作者様。

日常をぶっ壊そうと声をあげた反乱軍に、どういうわけか上位層の人まで参加…!?
予測のつかない展開にぐいぐい引き込まれて、登場人物たちの切実な声にグサグサ胸をえぐられました。

見るもの触れるものすべてが鋭く心に迫る、剥き出しの彼女たち。

友達や、親や、自分と、向き合うことが、どれだけ怖いか。
声に出すこと、耳を傾けることが、どれだけ大切か。

変わらないかもしれない。でも、踏み出すことに意味がある。
心に、晴れ渡る空。

秘色色(ひそくいろ)、素敵でした。

2015/11/06 18:12
青春・恋愛 151ページ ・総文字数134,951
世界はひろがっていく
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読み終わったあとにしばらく何も考えることができないくらい感じるものがあって、レビューを書きたいと思ったのに、どうしてもうまく言葉にできないまま3日が経ちました。 そのあいだに素敵なタイトルが可愛らしいタイトルに姿を変え、書籍用のあらすじに『すべての中高生に贈る』という言葉が添えられていました。 でも、いい大人のわたしも、このお話の世界にすっかり入り込んで、胸をえぐられ、苛立ちを感じ、セミの声を聞いたんです。 読んでいるとヒリヒリと胸が擦り切れそうなのに、一言一句のすべてに想いが込められていて、読み流すことなんてできない。 最後の最後には堪えきれずに涙が出ました。 わたしの拙い表現力ではこのお話の良さをとても説明できません。 ぜひ、作者さまの描いた世界を感じていただきたいです。 素敵な作品をありがとうございました。

読み終わったあとにしばらく何も考えることができないくらい感じるものがあって、レビューを書きたいと思ったのに、どうしてもうまく言葉にできないまま3日が経ちました。
そのあいだに素敵なタイトルが可愛らしいタイトルに姿を変え、書籍用のあらすじに『すべての中高生に贈る』という言葉が添えられていました。

でも、いい大人のわたしも、このお話の世界にすっかり入り込んで、胸をえぐられ、苛立ちを感じ、セミの声を聞いたんです。
読んでいるとヒリヒリと胸が擦り切れそうなのに、一言一句のすべてに想いが込められていて、読み流すことなんてできない。
最後の最後には堪えきれずに涙が出ました。

わたしの拙い表現力ではこのお話の良さをとても説明できません。
ぜひ、作者さまの描いた世界を感じていただきたいです。
素敵な作品をありがとうございました。

2014/09/11 23:42
青春・恋愛 178ページ ・総文字数74,883

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