第3回 きみの物語が、誰かを変える。小説大賞 by スターツ出版文庫
結果発表
【総評】
この度は「第3回きみの物語が、誰かを変える。小説大賞」へ多数のご応募ありがとうございました。
今回は、小説の種となる想いや体験を綴ってもらう10代限定「きみの想いが誰かを変える」部門を新設。皆様の想いをうけて、汐見夏衛さんに長編小説を書き下していただきます。
募集テーマは「きみがずっと言えなかったこと」。誰しも人には言えない本音や悩みを抱えています。作品の主人公の秘められた悩みや葛藤に共感性がいかにあるか、同時にその悩みがインパクトある設定(一言で言語化できる)わかりやすさがあるか、ドラマティックな展開を生み出しているか、以上の点で、受賞作は大変優れていました。ただ、ご応募いただいたどの作品も、それぞれの葛藤と救いが描かれており、心打つ物語ばかりでした。
結果、受賞作品への講評は以下の通りとなります。
【 大賞 】
『朝が来る前に、君の素顔が見てみたい』微炭酸/著
【講評】
<編集部>
冬のある早朝、灯台の上から飛び降りる想像をしていた奏弟。「あの、順番待ちなんですけど」振り向くとクラスの人気者、音子がいた。どうやら灯台から飛び降りに来たらしいことが分かった。罪悪感を残したくない奏弟は飛び降りを阻止したが、その日を境に夜明け前に彼女から呼び出しがかかるようになる。他愛もない会話をしながら朝が来るのを待つ奏弟と音子。しかし、彼女にはある秘密があって――。
ヒロインの切ない生い立ち、ヒーローの壮絶な過去、希死念慮を持つ彼女との逃避行、と悲壮感もありますがそれが気にならないほどの疾走感、先が気になる飽きさせない書き味でした。
重大な秘密を抱える双子の兄弟、相貌失認のヒロイン。周りの登場人物も含め、独特かつ細かな設定がなされているゆえに、登場人物の行動に説得力がありました。
あらすじにもあるように「色彩を帯びていく世界で必死に足掻く青春恋愛小説」でした。青くて痛い、今を生きるすべての人に読んでほしい作品です!
【 TSUTAYA賞 】
『未完成な世界で、今日も君と息をする。』如月深紅/著
【講評】
<TSUTAYA>
「きみがずっと言えなかったこと」というテーマにぴったりで、皆が「言えなかったこと」を抱えている。
相手を大切に思うから、傷つきたくないから、様々な理由で「言えなかった」想いが…。記憶喪失という非日常な出来事を題材に、大切なことに気づきながら、ハッピーエンドに至るストーリーは読み応えがありました。
人は誰しも「未完成な世界」で生きている。未完成だからこそ、希望を持って生きていくことができるのではないだろうかと問う、さあ頑張ろう!と元気が貰える物語。読後の清々しさが見事でした。
【 長編特別賞 】
『未完成な世界で、今日も君と息をする。』如月深紅/著
【講評】
<編集部>
ある出来事をきっかけに人間関係に関する記憶を全て忘れてしまった紬。記憶喪失前と変わってしまった自分が嫌いで、息苦しい毎日を過ごしていた。しかし、人気者の自由人であるクラスメイトの柴谷と関わっていく中で、紬の世界は変わっていく――。記憶を失い、以前の自分と別人になってしまったとして、今の自分は自分ではないのか。以前の自分に戻ることを全員が望んでいるのであれば、今の自分はいらないのか。“記憶喪失“という設定は王道ではありながらも、”記憶喪失“に際して、自分の在り方、アイデンティティについて葛藤する主人公を描く部分に本作のオリジナリティを強く感じました。
わたしたちは、大切な人と伝えあって、関わり合って、お互いのことを知って、そうやって生きていくことができる。そうやって生きていい。弱くたっていい。何故なら、私たちは“未完成”なのだから。
“記憶喪失”という状況は違えど、主人公である紬と近しいもやもやを抱える方にとって希望を感じられる魅力的な作品でした。素敵な作品、ご応募ありがとうございます。
最終審査選出作品
応募要項
第3回のテーマは「きみがずっと言えなかったこと」
「きみの物語が、誰かを変える。小説大賞」は、今を生きる、新しい世代の読者が、心から共感できる物語を届けたい、そんな想いから始まった小説大賞です。あなたの体験、想いが詰まった物語は、近しいことを体験したり、想ったり、何かに向かって頑張っていたり、苦しい何かから抜け出そうともがいていたり、きっとそんな人の力になると思います。あなたが生きる今を物語にしてみてください。
そして、第3回開催にあたり、自身の体験や想いを物語に落とし込んだ形でなく、体験と想いそのものを募集する 10代限定「きみの想いが誰かを変える」部門 を新設しました。10代の皆様の想いをもとに、汐見先生が長編小説を書き下ろしします。
小説を書くのはハードルが高いと感じている方は、ぜひこの部門にご参加ください。あなたの体験、想いは、物語を通してきっと誰かの力になると思います。ぜひ一緒に同世代の読者様に向けた物語をつくりましょう。
スターツ出版文庫 編集部一同
10代限定「きみの想いが誰かを変える」部門について、汐見先生より
10代のころ私は、家族や友達からは「思っていることを何でも口に出す」と言われたりしていましたが(たしかに気持ちを言葉にして伝えることはそれほど苦手ではなく、自分の意見を言えることも多かったのですが)、それでもやっぱり相手の気持ちや、相手からどう思われるかを考えると、100%口に出すことなんて絶対にできませんでした。嫌なことを言われてその場では笑って受け流したものの、家に帰ってから「◯◯って言い返せばよかった…なんで泣き寝入りしちゃったんだろう…」と思うことも。みんなも同じだと思います。「言えない思い」がない人なんて、いないですよね。直接ぶつけることはできなくても、言語化して形にすることができたら、少しは楽になるかもしれません。もやもやを抱えてずっと心に棘が刺さっていたり、言いたいのに言えなくて苦しかったり、そんな気持ちを吐き出せる場として、活用してもらえたら嬉しいです。皆様の投稿をお待ちしております!
募集部門
- 長編部門
- 10代限定「きみの想いが誰かを変える」部門
賞
- 大賞(長編部門より1作品) 書籍化+賞金30万円
- TSUTAYA賞(長編部門より1作品) 書籍化+Tポイント10万PT
- 「きみの想いが誰かを変える」賞(受賞数未定) 商品券 3,000円分
※「きみの想いが誰かを変える」部門では、ご応募いただいた皆様の想いを受けて汐見夏衛先生が長編小説を執筆します。全応募者様のPNを”一緒に書籍をつくった仲間”として本コンテストページに掲載させていただきます。また、抽選で10名様に完成した書籍(汐見夏衛先生のサイン入り)をプレゼントいたします。
受賞作品発表
ノベマ!にて発表
【 長編部門 】 応募要項
テーマ | きみがずっと言えなかったこと×青春恋愛小説 ずっと言えなかったこと、やれなかったこと、抱えていたことがある主人公が、物語ならではのきっかけによって、その想いを発散させたり、実現させていく青春恋愛小説をご応募ください。 まるで自分かと思ってしまうほど感情移入できる主人公。 そんな主人公が確かに変わり得る彼、彼女にとって非日常のきっかけ。 そして変わっていく主人公の姿。 共感出来て、だからこそそんな主人公が変わっていく姿に心救われる物語をお待ちしています。 |
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原稿文字数 | 「ノベマ!」上で、作品本文を以下の文字数におさめてください。 長編部門 80,000~140,000字 (1ページの最大入力可能文字数は10万字です。) |
応募資格 | 不問(プロ、アマ、年齢等一切問いません) 新人作家大歓迎 ※専属マネジメント契約等を交わしている場合は、担当会社様への事前のご確認をお願いいたします。 |
応募方法 | 事前にノベマに会員登録の上、作品を投稿してください。 STEP1 エントリーしたい作品の【作品編集】から、【設定】画面のコンテスト応募、第3回きみの物語が、誰かを変える。小説大賞を選択します。 STEP2 エントリーする部門を選択し、あらすじを入力してください。 ※以下は参考イメージです。 STEP3 ページ最下部の【設定を保存する】ボタンを押すとエントリー完了です。
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スケジュール |
※スケジュールは変更になる可能性があります。 |
対象 | 応募サイト「ノベマ!」で読むことができる作品。 テーマに沿った作品であれば、複数エントリーしていただけます。 ※以下に該当する作品のエントリーは不可となります。
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注意事項 |
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審査について | 審査員 スターツ出版 書籍編集部 審査方法 すべての作品を読んだ上で、総合的観点から審査いたします。 |
共通注意事項
個人情報について | 応募および受賞に際し提供いただいた個人情報は、スターツ出版株式会社のプライバシーポリシーの定めるところにより取り扱わせていただきます。 |
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諸権利 | 受賞作品の出版権、雑誌掲載権、インターネット上への掲載権、コミカライズ権、映像化権等はスターツ出版株式会社に帰属します。受賞作品の全部または一部を、スターツ出版が発行・運営する紙面、インターネット、スマートフォン向けサイトに掲載することがあります。 |
お問い合わせ | 投稿やエントリー方法など、本コンテスト関するお問い合わせはtoi@novema.jpまでお願いします。 ※選考に関するお問い合わせ・ご質問には応じかねます。 ※携帯メールからの問い合わせの際、迷惑メール対策をされている方は受信対象ドメインに@novema.jpを指定してください。 |