汐見夏衛さんに聞きました!【小説の書き方Q&A】
Q1:メッセージ性はどう決めてますか?
A1:あまりメッセージを考えたり決めたりはしていないのですが、新しいお話を考えるときは毎回『どんな悩みを抱えている読者さんに読んでもらいたい物語にするか』から考えています。こういうことで悩んでいる人が読んで、読み終わったときにどんな気持ちになってほしいか、というのを中心に考えて執筆しているので、それが結果的にメッセージ性になっているかもしれません。
Q2:人物設定はどう考えますか?
A2:先述のとおり、『こういう悩みで苦しんでいる人に読んでもらいたい』というところから考えているので、その悩みを抱えて葛藤している人物を主人公にして、その人物の感情に大きな影響を与えるのはどういう考え方や生き方の人かな、と考えて周囲のキャラクターを作っていきます。
Q3:変わる転機をどう作りますか?
A3:私の作風だと、ありえないような大きな出来事だとリアリティがなくなり、読者さんも共感しにくいかなと思うので、なるべく現実にも起こりそうな、だけど物語の登場人物にとっては新鮮で刺激的でそれまでの考え方が変わるような出来事はなんだろう…と想像して考えます。
Q4:成長の描き方を教えてください。
A4:考え方が変わる、話す内容が変わる、それまでには言えなかったことを言えるようになる、できなかったことをできるようになる、というのが成長した姿だと思うのですが、人はなかなか一気には変わらないので、書き始めるスタートの段階から『最後はこういう考え方をしたり、こういうことを言えるようになる』というゴールを決めておいて、そういうふうに変わるまでの道筋(エピソードや会話や心理描写)をきちんと描くことで、最後の変化への説得力を持たせられるようにしたいなと思っています。