第3回 きみの物語が、誰かを変える。小説大賞【10代限定「きみの想いが誰かを変える」部門】

結果発表

【総評】


<編集部>

まずは皆様の想いをご投稿してくださって、本当にありがとうございます。すべて大切に拝読いたしました。どの作品もそれぞれ皆様の持つ想いを、それぞれの届け方で紡いでくださっていて、だからこそ強く伝わってきました。自分以外の誰かが考えていることを、完全に理解することは難しいと思います。でも、だからこそ、こうして誰かの想いを受け取って、自分以外にも近しい誰かがいるかもしれないと感じられることは、救いになり得るのではないか、と改めて感じました。そして、そうなっていればとても嬉しく思います。また、ご投稿頂いた皆様にとっても、本コンテストが、心のもやもやや、普段は言えない想い、気持ちを吐き出す場として少しでもご活用頂いてれば、それもとても嬉しいです。コンテストという枠組みのため、恐縮ながら総合的な観点から受賞作を決めさせて頂きましたが、皆様のご投稿、想い自体に優劣はないと考えています。強さも弱さも、真っすぐな皆様の想いは、きっと誰かの光になるという部分で、どれも間違いなく素敵でした。皆様の想いを、それぞれの届け方で、伝えてくださって本当にありがとうございました。


<汐見夏衛>

昔あるテレビ番組で、「未成年の主張」というコーナーがありました。全国の小中学校や高校を番組が訪れ、児童や生徒が、屋上からグラウンドの在校生や先生たちに向かって、思いの丈を自由に叫ぶ、というようなコーナーです。当時私も小中学生だったので、自分と似たような年代の人たちが、日常のもやもやをぶちまけたり、家族や周囲への感謝を述べたり、好きな人に告白したりする様子を、楽しく眺めていました。くすりと笑えたり、ほろりと泣けたり、きゅんとしたり、爽快な印象の主張が多かったと記憶しています。


10代限定「きみの想いが誰かを変える」部門という企画を初めにうかがったとき、私はなんとなく、その『未成年の主張』に近いものを想像していました。ところが今回、応募作品を拝読して、全く違うなと考えを改めました。


『未成年の主張』はもちろん児童生徒たちの正直な心の叫びではありましたが、全国ネットの番組で顔を出しての主張であるという特性上、外向けに整えられた…というか、要するにテレビでたくさんの人に見聞きされても問題のない内容になっていたと思います。ですが、こちらの企画に並んだ応募作品はどれも、外向けに整えられたりなど全くしていない、いびつでもろくて、どろどろしていて、ひりひりするほど生々しい、切実で壮絶な、まさに生の声、『生の叫び』でした。


画面から飛び出してくる皆さんの秘めた叫びが胸に迫り、心を抉られ、読んでいる間ずっと私は、ひたすら圧倒されていました。ものすごいエネルギー量でした。すっかり大人になった私には、ほとんど失くなってしまった熱と焦燥をまざまざと見せつけられ、書き手として敗北感すら覚えました。


心の中に巣食っている猛獣が暴れるのを必死に抑え、でも時に抑えられなくなり、コントロールできない自分の感情に振り回されて、あがいて、もがいて。そんな悲痛で悲壮な『生の叫び』が、まだ鼓膜に張りついているような気がします。


この想いを誰かに伝えたい、分かってほしい、という切実な気持ちが痛いほど感じられました。そして、自分のつらい想いや過去の苦い体験を打ち明けることで、この世界のどこかにいる同じような誰かを救いたい、という尊い気持ちも。


今回のコンテストが、投稿してくださった皆様にとって、ずっと胸に秘めて押し殺してきた気持ちを、少しでも吐き出せる場所になっていたのなら、こんなに嬉しいことはないと思います。そして、これからもぜひ、自分のもやもやや苦悩、葛藤を『言葉』という形にして、自分の気持ちを冷静に見つめたり、客観的に問題に向き合ったりすることを、悩みの解決策のひとつにしていただけましたら、言葉を生業とする者のひとりとして、とても嬉しく思います。

「きみの想いが誰かを変える」賞

汐見夏衛先生の長編執筆に想いを託してくださった皆さん

愛染堕行/愛灯夢花/杏/杏月澪/杏柚/雨虹みかん/音夢 さき/下野 海/夏風/花宮來生/花優いのり/華澄瑠璃/芽原花楽/海月リコ/海猫-かいね-/海野 涼/喝采 奈央/久東しずく/宮志新平/鯨/月城花音/月本みか/月野 心/月葉 蒼天/見咲影弥/光野凜/紅林弘太郎の女/佐藤すう/在原銀雅/咲倉碧/三上 伊織/四木 奏/子果実/市ノ瀬 遥/獅子原碧羽/時雨/七楽 かいり/七瀬 恋夢/春田陽菜/春野蕾/初希/逢原詩緒/神代あられ/瀬戸 美弥/星海凛音/星月莉愛/星咲花乃/星谷奏愛/染谷優璃/蒼井空で/蒼海 陽夜/大駕みなみ/大村翔夢/綴音夜月/南知多/猫須木 三毛男/白月 嶺葉/姫宮/風/風音/碧郁叶汰/紡希優空/紡葉依橙/夢叶/明鏡止水/夜賀千速/夜海 兎/夜海ルネ/夜宮 唯雨/夜月美祝/夜桜 しゅり/柳 海/友川創希/幽霊のかまど神/葉名月 乃夜/涼風すい/鈴海 砂夜/廉野菜維/檸檬/櫻瀬 華/苺ヨーグルト/鶺鴒/あーねこ/あんまん/いと/クライングフリーマン/こと/さっちー/すももさくら/せとか/タピオカ/ちぃ/っす/なな/はなさき/はる/ピノ/ぴの/ぷりん/ましゃ/まなみん/みそ/めん/やまだ。/ゆう/ゆき/Cosmo/M1YO/maron/Miku/mio/nicomaru/Nijika/raboshi/Raps/ray/tiri/Wanko/yusayu

応募要項

第3回のテーマは「きみがずっと言えなかったこと」

「きみの物語が、誰かを変える。小説大賞」は、今を生きる、新しい世代の読者が、心から共感できる物語を届けたい、そんな想いから始まった小説大賞です。あなたの体験、想いが詰まった物語は、近しいことを体験したり、想ったり、何かに向かって頑張っていたり、苦しい何かから抜け出そうともがいていたり、きっとそんな人の力になると思います。あなたが生きる今を物語にしてみてください。


そして、第3回開催にあたり、自身の体験や想いを物語に落とし込んだ形でなく、体験と想いそのものを募集する 10代限定「きみの想いが誰かを変える」部門 を新設しました。10代の皆様の想いをもとに、汐見先生が長編小説を書き下ろしします。

小説を書くのはハードルが高いと感じている方は、ぜひこの部門にご参加ください。あなたの体験、想いは、物語を通してきっと誰かの力になると思います。ぜひ一緒に同世代の読者様に向けた物語をつくりましょう。

スターツ出版文庫 編集部一同

10代限定「きみの想いが誰かを変える」部門について、汐見先生より


10代のころ私は、家族や友達からは「思っていることを何でも口に出す」と言われたりしていましたが(たしかに気持ちを言葉にして伝えることはそれほど苦手ではなく、自分の意見を言えることも多かったのですが)、それでもやっぱり相手の気持ちや、相手からどう思われるかを考えると、100%口に出すことなんて絶対にできませんでした。嫌なことを言われてその場では笑って受け流したものの、家に帰ってから「◯◯って言い返せばよかった…なんで泣き寝入りしちゃったんだろう…」と思うことも。みんなも同じだと思います。「言えない思い」がない人なんて、いないですよね。直接ぶつけることはできなくても、言語化して形にすることができたら、少しは楽になるかもしれません。もやもやを抱えてずっと心に棘が刺さっていたり、言いたいのに言えなくて苦しかったり、そんな気持ちを吐き出せる場として、活用してもらえたら嬉しいです。皆様の投稿をお待ちしております!

募集部門
  • 長編部門
  • 10代限定「きみの想いが誰かを変える」部門
  • 大賞(長編部門より1作品) 書籍化+賞金30万円
  • TSUTAYA賞(長編部門より1作品) 書籍化+Tポイント10万PT
  • 「きみの想いが誰かを変える」賞(受賞数未定) 商品券3000円分


※「きみの想いが誰かを変える」部門では、ご応募いただいた皆様の想いを受けて汐見夏衛先生が長編小説を執筆します。全応募者様のPNを”一緒に書籍をつくった仲間”として本コンテストページに掲載させていただきます。また、抽選で10名様に完成した書籍(汐見夏衛先生のサイン入り)をプレゼントいたします。

受賞作品発表

ノベマ!にて発表

【10代限定 「きみの想いが誰かを変える」部門 】 応募要項

テーマ

物語ではなく、きみの想いを教えてください。

テーマ:きみがずっと言えなかったこと


本当はずっとしたかったこと。やれずにいたこと。

本当ずっと言いたかったこと。言えなかったこと。

本当は好きだったこと。嫌だったこと。

そして、今やりたいこと、言いたいこと、など。


きみのずっと言えなかった想いを教えてください。

関連した体験や状況を綴って頂くのも大歓迎です。

洗練された文章や、美しい表現である必要はありません。

きみのことが、弱さまるごと全部伝わるようなそんな“想い”をお待ちしています。

原稿文字数

「ノベマ!」上で、作品本文を以下の文字数におさめてください。

10代限定「きみの想いが誰かを変える」部門 5,000字以内

 (1ページの最大入力可能文字数は10万字です。)

応募資格

2024年3月31日時点で20歳未満の方(プロ、アマ問いません)

※ログイン後、[マイメニュー]-[登録情報管理]-[基本情報確認&変更]より生年月日を登録してください。

※専属マネジメント契約等を交わしている場合は、担当会社様への事前のご確認をお願いいたします。

応募方法

事前にノベマに会員登録の上、作品を投稿してください。


STEP1

エントリーしたい作品の【作品編集】から、【設定】画面のコンテスト応募第3回きみの物語が、誰かを変える。小説大賞【10代限定「きみの想いが誰かを変える」部門】を選択します。

STEP2

エントリーする部門を選択し、あらすじを入力してください。

※以下は参考イメージです。

STEP3

ページ最下部の【設定を保存する】ボタンを押すとエントリー完了です。

  • あらすじとは、ストーリーの全容、登場人物の設定や大きな流れを簡潔に明記したもので、あらすじの内容を元に審査を進めさせていただきます。
  • コンテスト応募のあらすじは、他のユーザーには公開されません。(エントリー締め切り日まで編集できます。)
  • あらすじの文字数(400字程度)は、審査時はカウントいたしません。

スケジュール

  • 2023年12月21日(木) エントリー受付開始
  • 2024年4月26日(金)13:00 エントリー締め切り
  • 7月中旬頃 結果発表

※スケジュールは変更になる可能性があります。

対象

応募サイト「ノベマ!」で読むことができる作品。

テーマに沿った作品であれば、複数エントリーしていただけます。


※以下に該当する作品のエントリーは不可となります。

  • 「ノベマ!」の規約に反するもの
  • 過去に書籍化されたもの
  • 書籍化の予定があるもの
  • 本人以外に著作権及び著作隣接権があるもの
  • 現在開催中である他の文学賞に応募しているもの
  • そのほか当編集部が不適切と判断したもの

注意事項

  • 複数作品のエントリーを可とします。
  • 新作を推奨しますが、テーマに沿った作品であれば、既存作品の応募も可能です。
  • 他の公募コンテストに応募中の作品は、選考対象外となります。 
  • 電子書籍も含め書籍化されていない、もしくは書籍化の予定がない、また小説、映画、コミック、アニメ、ゲーム等商業用途で二次利用されていない、日本語で書かれたオリジナル作品に限ります。
  • シリーズ作品や続編、サイドストーリーなど、その作品だけでは物語が完結していない場合、原則として審査対象外となります。ただし「第1巻」などとして、その巻だけでもストーリーが完結している場合は審査対象となります。
  • 締め切り後の作品内容編集は、誤字脱字の修正のみ可といたします。番外編等の追加を含む大幅な内容の編集をされた場合、失格となります。なお、締め切り後に作品掲載ポリシー違反が発覚した場合も同様に失格となります。
  • 選考対象外になる事実が認められた場合、結果発表後であっても受賞が取り消される場合があります。
  • 文字数不足など当社出版基準に満たない場合は、出版できないことがあります。
  • 出版の際には、当社編集方針により作品を編集させていただくことがあります。

審査について

審査員

スターツ出版 書籍編集部


審査方法

すべての作品を読んだ上で、総合的観点から審査いたします。

共通注意事項

個人情報について

応募および受賞に際し提供いただいた個人情報は、スターツ出版株式会社のプライバシーポリシーの定めるところにより取り扱わせていただきます。

諸権利

受賞作品の出版権、雑誌掲載権、インターネット上への掲載権、コミカライズ権、映像化権等はスターツ出版株式会社に帰属します。受賞作品の全部または一部を、スターツ出版が発行・運営する紙面、インターネット、スマートフォン向けサイトに掲載することがあります。

お問い合わせ

投稿やエントリー方法など、本コンテスト関するお問い合わせはtoi@novema.jpまでお願いします。

※選考に関するお問い合わせ・ご質問には応じかねます。

※携帯メールからの問い合わせの際、迷惑メール対策をされている方は受信対象ドメインに@novema.jpを指定してください。

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