賭弓の後、詰所に戻った二人きりの時間、朝隆はようやく本音を漏らした。
「……あなたの矢を見て、恥ずかしくなりました。私など、まだ遠く及ばない」
「そう思うなら、次はもっと引き絞ればいい。それだけの話だ」
輔道はそう言って、ふと朝隆の顔を覗き込んだ。
「今日のお前の矢は、悪くなかった。俺が見てきた中でも、一番いい顔で弓を引いていた」
その言葉に、朝隆は頬が熱くなるのを感じた。武芸の評ではなく、もっと違う何かを向けられている気がしてならなかった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…