「……あなたの弓も、見事なものでした。射場で見ましたが、あれほどの腕とは思いませんでした」
「師匠が良かっただけだ。お前の笛のような雅なものじゃない」
「雅も武も、突き詰めれば同じではありませんか。的を外さぬように弓を引くのも、音を外さぬように笛を吹くのも」
輔道はわずかに目を見開き、それから低く笑った。
「妙な理屈を言う奴だな」
「……笑うところですか、それは」
「悪い意味じゃない」
その夜、二人はそれ以上多くを語らなかった。だが宿直の順が回るたび、示し合わせたわけでもないのに、自然と隣り合うようになっていった。

