現役男子高校生で国民的人気アイドルの僕を「性格ブス」と呼ぶ男と同居することになりました

【作者あとがき】

 みなさん、こんにちは。五慈あおいです。
 この度は『現役男子高校生で国民的人気アイドルの僕を「性格ブス」と呼ぶ男と同居することになりました』をお手に取っていただき、そして最後のページまでお付き合いくださいまして、誠にありがとうございました。拙い文章ではございますが、ここまで読み進めてくださった皆様に、心より御礼申し上げます。

 本年四月、X(旧Twitter)にて「アイドルBLを書きます」と宣言してから、約半年をかけての完結となりました。その間、他の公募や商業のお仕事と並行しての執筆となり、更新をお待たせしてしまったのですが、温かく見守り、応援のお言葉まで届けてくださった読者の皆様には、感謝してもしきれません。皆様の存在が、筆を進める何よりの支えでした。

 通常よりも二万文字ほどボリュームを増やし、作中では凪斗(攻め)の視点も交えて執筆いたしました。皆様が胸に抱いてくださった「アイドル×アイドル」というテーマへの期待に、どこまで応えられたか、いまだ緊張しておりますが、少しでもお楽しみいただけていれば幸いです。

 実のところ、本作のはじまりは「専属SP×国民的アイドル」という設定で、今年三月頃に組んだプロットでした。
 当初は登場人物も高校生ではなく社会人で、年齢設定も少し上、展開も現在よりビターなものを想定しておりました。

 しかし、せっかく執筆するのであれば、全年齢向けとして胸が弾むような描写をより多く取り入れたい。さらに同居というシチュエーションを掛け合わせることで、物語の彩りと見どころを豊かにできるのではないか――そう思い直し、思い切って高校生同士のBLへと舵を切ることにいたしました。この選択が正しかったのかは、読んでくださった皆様のご判断に委ねるほかありませんが、書き終えた今は、この形で本当によかったと感じております。

 執筆にあたっては、私自身が日頃からアイドル文化に特別精通しているわけではなかったため、まずは情報収集&学ぶところから始めました。男性・女性の枠組みにとらわれず、数多くのグループの動画やドキュメンタリーを、時間の許す限り丹念に拝見しております。また、高校時代から実際に芸能活動を行っている友人・男性アイドルに詳しい作家仲間の方にもお話を聞かせてもらい、ライブの舞台裏から歌唱以外の撮影の様子まで、差し支えのない範囲で大変貴重な実情をうかがうことができました。お力添えくださった皆様に、この場を借りて深く感謝いたします。そうして得たリアリティに、フィクション独自のドラマを多く織り交ぜ、自分がこの物語に注ぎ込みたかった要素を隅々まで詰め込んだのが、本作の形となります。

 もっとも、アイドルの世界の奥深さに比べれば、描き切れていない部分も多々あるかと存じます。至らない点は、すべて私の力不足によるものです。

 普段の執筆では内面描写に重心を置きがちで、攻め視点を描く機会も少なかったため、本作でその挑戦ができたことは、私にとって大きな収穫となりました。
 なかでも、先輩アイドルである理央の造形には、最後まで苦心いたしました。圧倒的な美貌を持ちながら、性格は誰よりも繊細で、アイドルでありながら人に見られたくないという想いも抱え、強い依存心と高いプライドを併せ持つ――その表裏の激しさを文章で表現することは、非常に難しい作業でした。理央というひとりの人間の弱さも脆さも、愛おしさとともに受け取っていただけたらと幸いです。

 同時に、年下の後輩アイドルである凪斗の生意気さと、それでいてここぞという場面で見せる頼もしい男らしさのバランスをとることも、手探りの連続でした。何より、「ふたりの恋が周囲に決して知られてはならない」「普通のカップルに比べて、会うことも触れ合うことも圧倒的に制限されている」という切なさを、最後までブレずに描き切ること。そして、余計なサブキャラクターを極力削ぎ落とし、読者の皆様がふたりの恋愛世界に深く没入できるよう構成すること。この二点には、特に神経を使いました。

 これからもアイドルと俳優を続ける理央と凪斗。どこまでも走り抜けた先で、ふたりは更なる高みをめざし、海外や舞台に挑む道も広がっているのかもしれません。
 その先の未来は、ぜひ読者の皆様のご想像に委ねたいと思います。皆様の心のなかで、ふたりがどんな景色を見ているのか。そう想像していただける余白が、この物語の最後に残せていることが私の理想です。

 物語のなかで彼らがぶつかり合い、傷つき、それでも互いの唯一無二の居場所を見出していくように、私にとってもこの作品は、多くの挑戦と発見に満ちた愛おしい執筆期間となりました。

 不慣れな点や、行き届かない点もあったかと思いますが、読んで下さったすべての読者の皆様に、改めて、深くお礼申し上げます。
 本当にありがとうございました。

 また次の作品で、素敵な出会いがありますように。

 五慈あおい

 【Xアカウント:@pm500aoi】
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