さよならの記憶写真館

「えっ、妊娠!」
 心拍確認出来たことから妊娠届出書を保健所に持って行った私は、母子手帳をもらって帰ってきて、少しだけ豪華な夕飯を作って待っていた。

 進んで妊活していたわけではない。もう一人欲しいねと軽く話していたぐらい。
 いつぐらいに産みたいとか。男の子、女の子どっちが良いとか。椿と何歳差になるかとか。
 本当はそうゆうことを話したりするのかもしれないけど、年齢差とか考えないといけなかったのかもしれないけど、そんなことどうでも良かった。
 また家族が増えるんだ。私のお腹には優太との子供がいて、椿はお姉ちゃんになって、また大切な宝物が増える。
 その現実が嬉しくて、私は小さく鼓動する心臓をただ眺めていた。ボヤけてしまう視界を必死に拭いながら。

 優太は何とも言えない顔をしてて、椿は小さな手でそっと私のお腹を撫でてくる。
 こんな小さくても、守るべき存在は分かっているんだ。
 また潤んでしまいそうな目を瞬きで抑えていると、優太は口元が緩んでいるけど、やっぱり私と同じで目が光っていて、
 それに胸が熱くなって、余計に泣けてきて、忘れてしまったの。この違和感に。