さよならの記憶写真館

「花梨、これ」
 年が明け、明日から始業式が始まると憂鬱になる冬休み最終日。お母さんは私の部屋に来て、バスの一ヶ月定期券を渡してきた。
 いつも使っている、高校までのものだ。

「明日からはバスで通いなさい。どうしても辛い時は頼ってくれて良いから」
「あ、えっと」
「花梨がね、思った通りにしたら良いの。とにかく優太くんの話だけは聞いたら?」
 私がマゴマゴとしていると、お母さんは出て行ってしまって残されたのは定期券だけだった。
 仮病なんて、お見通しだったみたい。
 座っていたベッドにゴロンと転がると、目が合うのは優太がくれたウサウサのぬいぐるみ。
 二人の関係を認めてあげなさいって意味なのかな?
 体がブワッと熱くなった私はファンヒーターを消し、ウサウサに背向けて目を閉じる。
 本当、その通りだね。そうなるように動いていたのは誰って話だよね?
 優太から、ちゃんと話を聞こう。そして、おめでとうと言おう。
 そしたら、この過去修正の旅は終わる。
 私が願った、最高のハッピーエンドで。