さよならの記憶写真館

 あの日も雨だった。
『優太……』
 喪服を着た優太は、細い煙突から出る煙をただ眺めていた。

『花梨……。俺、一人になっちゃったよ』
 曲がった背中はあまりにも小さすぎて、優太の隣に立った私はそっと手を握る。

『優太を、一人にしないよ。私が、絶対に……』
 握り返された手は大きくて、ゴツゴツしていて。
 もう私達は子供ではないと思い知らせる。

 私たちが結婚したのは、それから一年が経った頃だった。