さよならの記憶写真館

「土曜日はごめんね」
 月曜日の登校時、遊園地に行けなかったことをさりげなく謝る。……嘘だと悟られないようにね。

「具合悪かったならしょーがないよ。……それでさ、次の土曜こそ行かない? ウサウサは十月いっぱいまで来るみたいだし」
 あ、これが記憶写真が消えない理由だったんだ。
 二回目を誘ってくれるなんて。嬉しいはずなのに、私は。

「別にいいよっ!」
 突然大きな声を発した自分に、優太だけでなく私自身までピクリとなる。
 ……え、どうしたの……私?

「……あ、違っ! ごめん……。また、具合悪くなるかも、しれないから」
「そっか。……ごめん」
 バス停まで歩く道は沈黙が続き、優太は何が悪かったのかという表情を浮かべていた。

 ごめん。優太のせいじゃないんだ。
 私と行っても高校生が中学生の妹を世話しているような写真にしかならないだろうから。
 あまりにも惨めな本心に、ドンッとした重いものがのしかかってきたような錯覚を覚える。
 ……優太、十七歳の私、ごめん。
 私はあなたたちを傷付けてばっか。自分が十七歳の時は、好き勝手に生きてきたっていうのにね。

 記憶写真は私が望んだ通り消えていき、過去修正は次の段階に入ることになる。
 別の高校である澪と優太との接点を増やしていき、付き合いから結婚に至る未来に導く段階へと。