さよならの記憶写真館

『優太、ごめんね。なんか最近、体調悪くて。これからは学校までお母さんに送ってもらうことにしたの』
 布団に包まり何度も寝返りを打ちながら、やっと打ち込めた一文。
 目を閉じ、送信ボタンを強く押し込み、確認画面を目にした途端に、次は電源切りボタンに触れる。
 もう、何も見たくなくて。
 気遣いの返信も、無意識に見てしまう優太の写メも、待ち受けになってある家族写真も。
 全部、嫌だ。


 ……私の前では子どもっぽいのに、澪の前ではカッコよくなるんだ。
 遊園地でのツーショット写真を目の当たりして、腹の奥から出てきた身勝手過ぎる本音。

 可愛い澪の前では、背筋を真っ直ぐ伸ばして、目をキリッとさせて、口元も締まっていて。大人の男性であろうとするのに、私の前ではそうはならないってこと?
 男の人は横に並ぶ女性で変わるというけど、本当なんだな。

 私と一緒に居た時、一度でもあんな顔してくれた?
 あの瞳で、私を見つめてくれた?
 ないよね、だってただの幼馴染だもんね。
 だけど澪は特別で。だから、私は……。

 ごめん。私この先、優太と顔合わせて文句言わない自信ないの。
 だから……。