さよならの記憶写真館

 一際の夢より目を覚ますと日は高く登って、まだ昼時なのだと、小さな溜息が漏れる。
 ベッド上で何度目かの寝返りを打った頃、小さなノック音がして返事するとそれはパートから帰って来たお母さんだった。

「具合は?」
「うん、もう大丈夫」
 ごめんね、お母さん。私、全然具合悪くないんだ。
 だからせめて、元気なフリをしないと。

「……ねぇ、花梨」
「ん?」
「もう少し、わがままに生きて良いんじゃないの?」
「え?」
「じゃあ、お昼食べれそうなら降りてきなさい」
 お母さんは、その言葉の意味を教えてくれることもなく、部屋から出て行ってしまった。

 違うよ、お母さん。私、わがままいっぱい通したんだよ。……だから、今こうして罰を受けているの。


「えっ? まだ、消えていない?」
 支配人さんの報告によると遊園地の写真はまだ変わらず、透明になったりとかして消える前兆にもなってないらしい。
 結局、私はまだこの時代に留まらないといけなくなった。
 なんで?
 もう、これで良いよね?
 早く終わらせたいのに。
 少しでも気を抜くとまた魂がひび割れそうで、必死で別のことを考えようとするけど、考えれば考えるほど今の辛さに直面してしまう。
 本当、切り替えができない性格で嫌になる。