さよならの記憶写真館

「えっ、お姉ちゃんどうしたの!」
「転んじゃってさぁー」
 顔の擦り傷を見た途端に救急箱を持ってきて、手際良く手当てをしてくれる澪。
 こんな鈍臭い姉をぞんざいに扱わず、優しくしっかり者だった。
 優太の隣にいるべきは誰?
 椿と柚香を守れるのは誰?
 それは。

「……優太は、元気?」
 無関心を装って、軽い口調で、そう聞いていた。

「え? ああ、優太……ね。うん、元気だよ! 相変わらず空ばっか見てて、こないだなんて授業中だってのに……!」
 ああ、なんで私は目を逸らし続けてしまったのだろう。澪が優太の話をする時、こんな可愛い顔になるんだった。
 陸上部のエースである澪は普段はかっこいいと持てはやされるぐらいに凛々しい顔をしているのに、優太のことになると女の子になるんだ。

 だったら、やることは決まってる。