帰り道。重い足取りで田舎道を歩くと、私の足は自然と祠に続く石段の前で止まっていた。
空を見上げれば茜色の夕陽が広がっていて、どこかで見たことがあると思ったら、そうだ、この景色だと自分の中で腑に落ち思わず立ち尽くしてしまった。
ふわっと柔らかな風が吹くと「少し休んでいっていいんだよ」と背中を押してくれたような気がして、私の足は石段に向かっていった。
……って、何してるの? 違う、違うでしょう。
少し歪な石段にどこまでも懐かしさが滲む中、私は思いを跳ね除けるように、ただ駆け出した。
この日、美術室から飛び出した私は家に帰れなくなって祠の前で膝を抱えて俯いてたところ、探しに来てくれた優太に声を掛けられて再会した。
このまま帰らなかったらお母さんが心配して騒ぎになって、同じことを反復するだけじゃない。
それじゃあ、何の為に戻ってきたかが分からなくなる。何の為に、十四歳の私を苦しめたかも。
中学生の頃の玄関ドアはまだそこまで劣化が進んでおらず、金属が擦れる音がしないことをいいことにお母さんがいるリビングに行かず二階の自室に向かっていく。
ドアを開けると木製のタンスに、絵の描き方についての本が入った三段ラックに、淡いピンクのシーツを張ったベッド。うさぎのキャラクター小物ばかりが置いてある、とても中学生とは思えない部屋の中。
そんな過去の自分に余計に溜息が出てくるが、無気力は私は制服のままベッドに身を預けて、目を強く閉じていた。
空を見上げれば茜色の夕陽が広がっていて、どこかで見たことがあると思ったら、そうだ、この景色だと自分の中で腑に落ち思わず立ち尽くしてしまった。
ふわっと柔らかな風が吹くと「少し休んでいっていいんだよ」と背中を押してくれたような気がして、私の足は石段に向かっていった。
……って、何してるの? 違う、違うでしょう。
少し歪な石段にどこまでも懐かしさが滲む中、私は思いを跳ね除けるように、ただ駆け出した。
この日、美術室から飛び出した私は家に帰れなくなって祠の前で膝を抱えて俯いてたところ、探しに来てくれた優太に声を掛けられて再会した。
このまま帰らなかったらお母さんが心配して騒ぎになって、同じことを反復するだけじゃない。
それじゃあ、何の為に戻ってきたかが分からなくなる。何の為に、十四歳の私を苦しめたかも。
中学生の頃の玄関ドアはまだそこまで劣化が進んでおらず、金属が擦れる音がしないことをいいことにお母さんがいるリビングに行かず二階の自室に向かっていく。
ドアを開けると木製のタンスに、絵の描き方についての本が入った三段ラックに、淡いピンクのシーツを張ったベッド。うさぎのキャラクター小物ばかりが置いてある、とても中学生とは思えない部屋の中。
そんな過去の自分に余計に溜息が出てくるが、無気力は私は制服のままベッドに身を預けて、目を強く閉じていた。



