「花梨、部活行こっ!」
あの騒動から十日が過ぎても部員からの無視は続いていて、背後からギュッと抱き締められた私の心臓はキュッと縮み上がる。
初めて来て欲しくないと願った放課後。
だけど時間は、容赦なく進んでいく。
「……う、うん」
「もう私は、気にしてないからさー」
由衣の言葉にクラスメイトたちは何事かと言いたげな目でこちらに視線を向けたと思えば、スッと逸らしてくる。
みんな興味ないように装っているけど本当は興味深々で、いつも大きな声で聞こえてくる会話が全然聞こえなかった。
由衣が何を考えているのか分からない。
絵の構想を盗られたと本気で思ったんだよね? だからみんなに話したんだよね?
だけど全然怒ってないし、部員たちに許してあげてと頼んでくれるし、私と変わらず関わってくるし。
何? ねえ、あなたは何がしたいの?
脳内より溢れてくる混乱と、奥底から湧き立つ不可解さに耐えながら、私は手を引かれて美術室に連れて行かれる。
由衣がドアが開いた瞬間に、部員のみんながこっちを睨んできて、抑えていた恐怖はピークに向かっていく。
「ねえねえ、今日はみんなで描こうよ〜」
「いや、私は準備室で集中して……」
その瞬間、思わず顔を歪めた私は、思わず手を引っ込めていた。
「何、あれぇ?」
「感じ悪っ!」
ダイレクトに向けられる悪口に思わず出て行こうとするけど、由衣にまた手を掴まれた私は美術室内へと入っていく。
……確かこの時、爪を立てられたんだった。
周りにはこんな笑顔を向けているのに、誰にも見えないところでこうゆうことされてたんだったな。
今客観的に見てもやり方が悪質で、この先の未来を知っていても、許せない気持ちが再燃していく。
「さー、みんなで仲良く描こうよ!」
先生が来て活動が始まるけど、私がみんなと同じ場所に居ることで美術室での空気が一気に重くなり、明らかにみんな迷惑そうな目を向けてくる。
「由衣ちゃんさぁ、何で米田さんと居るの?」
「えー、別に過ぎたことだしー!」
「もぉ、優しすぎるよー。また絵、盗られるんじゃない?」
「大丈夫だってぇ。自衛してるしー」
小声で話しているつもりみたいだけど、その声はハッキリ聞こえていて、脳内にこべりついて離れてくれない。
違う……。あれは毎日夕陽を見て、色々な場所を巡って、あの祠で何枚も撮って決めた写真。
優太が好きな空を使って、そんな卑怯なことなんかしないよ!
……だけど、あの絵はもう出せない。構想を盗ったと思われた絵なんて、コンクールに出せるわけないじゃない!
だから第二候補で写真で撮っておいた青空と入道雲の写真を見ながら絵の下書きをしていくけど、また被るんじゃないかと思うと私は……。
手が小刻みに震え、鉛筆を握ることすら出来ず、ただ呆然と立ち尽くす。
目の前のキャンパスは私の頭の中みたいに真っ白で、もう何を描きたいのか、なぜ描きたいのかすら分からなくなっていた。
……どうしよう、描けない。
もう、ダメだ……。
あの騒動から十日が過ぎても部員からの無視は続いていて、背後からギュッと抱き締められた私の心臓はキュッと縮み上がる。
初めて来て欲しくないと願った放課後。
だけど時間は、容赦なく進んでいく。
「……う、うん」
「もう私は、気にしてないからさー」
由衣の言葉にクラスメイトたちは何事かと言いたげな目でこちらに視線を向けたと思えば、スッと逸らしてくる。
みんな興味ないように装っているけど本当は興味深々で、いつも大きな声で聞こえてくる会話が全然聞こえなかった。
由衣が何を考えているのか分からない。
絵の構想を盗られたと本気で思ったんだよね? だからみんなに話したんだよね?
だけど全然怒ってないし、部員たちに許してあげてと頼んでくれるし、私と変わらず関わってくるし。
何? ねえ、あなたは何がしたいの?
脳内より溢れてくる混乱と、奥底から湧き立つ不可解さに耐えながら、私は手を引かれて美術室に連れて行かれる。
由衣がドアが開いた瞬間に、部員のみんながこっちを睨んできて、抑えていた恐怖はピークに向かっていく。
「ねえねえ、今日はみんなで描こうよ〜」
「いや、私は準備室で集中して……」
その瞬間、思わず顔を歪めた私は、思わず手を引っ込めていた。
「何、あれぇ?」
「感じ悪っ!」
ダイレクトに向けられる悪口に思わず出て行こうとするけど、由衣にまた手を掴まれた私は美術室内へと入っていく。
……確かこの時、爪を立てられたんだった。
周りにはこんな笑顔を向けているのに、誰にも見えないところでこうゆうことされてたんだったな。
今客観的に見てもやり方が悪質で、この先の未来を知っていても、許せない気持ちが再燃していく。
「さー、みんなで仲良く描こうよ!」
先生が来て活動が始まるけど、私がみんなと同じ場所に居ることで美術室での空気が一気に重くなり、明らかにみんな迷惑そうな目を向けてくる。
「由衣ちゃんさぁ、何で米田さんと居るの?」
「えー、別に過ぎたことだしー!」
「もぉ、優しすぎるよー。また絵、盗られるんじゃない?」
「大丈夫だってぇ。自衛してるしー」
小声で話しているつもりみたいだけど、その声はハッキリ聞こえていて、脳内にこべりついて離れてくれない。
違う……。あれは毎日夕陽を見て、色々な場所を巡って、あの祠で何枚も撮って決めた写真。
優太が好きな空を使って、そんな卑怯なことなんかしないよ!
……だけど、あの絵はもう出せない。構想を盗ったと思われた絵なんて、コンクールに出せるわけないじゃない!
だから第二候補で写真で撮っておいた青空と入道雲の写真を見ながら絵の下書きをしていくけど、また被るんじゃないかと思うと私は……。
手が小刻みに震え、鉛筆を握ることすら出来ず、ただ呆然と立ち尽くす。
目の前のキャンパスは私の頭の中みたいに真っ白で、もう何を描きたいのか、なぜ描きたいのかすら分からなくなっていた。
……どうしよう、描けない。
もう、ダメだ……。



