さよならの記憶写真館

「大きくなったら、秘密基地で夕日を見ようね」
 三枚目の記憶写真に写し出されていたのは、グスグスと泣きながら小さな手を握り合い、未来に約束した場面だった。
 澪と優太より一学年上の私は一足先に卒園することになり、まるで二人で一つみたいだった優太と私は、卒園式の日に泣き明かした。
 一つ差だから、たった一年だけなのにね。でも子ども時代には、その一年は長く重すぎる壁だった。


『えー、ウソだぁー!』
『ホントだよぉー! だって、麗美ちゃんかそう言ってたんだもーん』
 三人で過ごす、秘密基地の中。
 優太と澪が声を上げて笑っていても、私は何のことか分からず一瞬の間が空いてしまう。

『あー、今日さぁ』
『レミちゃんって子がねー』
 二人は話についていけない私にも話してくれるけど、その時の空気感とか、その子が誰かも分からないのに面白くないよ。
 だけどそんなこと言えるわけもなくて、私はいつも面白いって笑ってた。

 優太は年長になった頃からよく話し、運動も出来るようになったみたいで、遊戯室の隅っこで座っていることもなくなったらしい。
 いやもちろん、その方が良いし。私も卒園の頃に、優太が一人にならないか心配していたけど、なんか淋しくて。

 小学校は、保育園の延長みたいに友達が出来なかった。
 保育園の頃に戻りたいな。
 そう願っても時間は戻らないと分かってたから、だから早く一年が過ぎて三人同じ学校に通いたい。
 そんなことを願っていた。

 だけど私は知らなかった。
 環境によって、人間関係はここまで変わっていくものだったなんて。