さよならの記憶写真館 (1話から長編大賞)

 瞼の奥でヒラヒラと舞った、記憶の欠片。
 言い表せないほどの幸せと罪悪感が、パラパラと降り注ぐ。
「今までありがとう」とか、「本当にごめんなさい」とか。悔いがないようにと想いを言葉にしてきたはずなのに、私の心は終えた命と相反して、まだ終焉を迎えていないみたい。

 己は三十二年しか生きられない運命だと神様からお告げを受けていたら、このような人生にはしなかった。
 そんな思いが、何百回、何千回と反芻した私の魂は、一軒の写真館へと誘われていた。
 ──記憶写真館。人生の悔いを写し出し、その写真に映し出された人生を修正してしまう、不思議な場所へと。