心が読める私と秘密を知った彼

『ねえ、おとうさん。どうして おんなのひとと いっしょだったの、ひみつなの?』
『え……? 何、言ってるの?』
 そう言ったお父さんお母さんの、引き攣った顔が今でも忘れられない。あれは私の一番古い記憶で、その言葉をきっかけに両親が言い争ったのも、不仲な関係になったのも覚えている。
 その時に悟った。
 人間には言葉とは違う「声」があり、それは相手には聞こえないこと。しかし、私はどうゆう訳か聞こえてしまう能力があること。
 そして、「その声」を聞くことは、良好な関係を呆気なく崩壊させてしてしまうことを。