0時発、猫の駅長が導く記憶列車

ランクイン履歴

現代ファンタジー34位(2025/12/03)

現代ファンタジー

0時発、猫の駅長が導く記憶列車
作品番号
1767416
最終更新
2025/12/01
総文字数
35,626
ページ数
6ページ
ステータス
完結
いいね数
2
ランクイン履歴

現代ファンタジー34位(2025/12/03)

主人公・春菜(26)は、母を亡くした後、心が空洞になったまま働いている。
母とは一年前、口喧嘩したまま別れ、最期に病室を訪れた日も素直になれなかった。
「大人になったらもっと話そうね」という約束も果たせないまま死別したことを、春菜は深く後悔している。しかし仕事も忙しく、感情を閉じ込めたまま日常をやり過ごしていた。

ある夜、終電を逃した春菜は、深夜の無人駅で“駅長帽を被った黒猫”と出会う。黒猫は春菜を見つめ、静かに歩き出す。導かれるように乗り込んだのは、見覚えのない「0時発の記憶列車」。
車内アナウンスも、車掌もいない。ただ黒猫だけが、まるで案内役のように座っている。

列車は「記憶の駅」を巡り、各駅で春菜の過去が“体験として”再現される。
明るく笑う母、春菜を応援していた母、喧嘩の日、言えなかった感謝……。
春菜は苦しみながらも、“逃げ続けてきた記憶”と向き合わざるを得ない。

そして終着駅。
そこには、亡くなる前夜の母の「本心」が残されていた。
母は春菜が負い目に感じていた喧嘩について、一切責めておらず、
「あなたはあなたの道を生きてほしい」と願っていたことが明らかになる。

春菜は涙の中で許しを受け取り、“生き直す決意”をする。
列車を降りた瞬間、黒猫の姿は消えるが、その首輪には母が大切にしていた鈴がついている。

春菜は気づく。
あの黒猫は、母の飼っていた猫が“想いを形にした存在”だったのだと。

夜明けのホームで、春菜の心にやっと光が戻り、物語は静かに閉じる。
あらすじ
母を亡くして一年。
20代の会社員・春菜は、最期まで素直になれなかった後悔を抱えたまま、日々を惰性で過ごしていた。仕事も人間関係も空回りし、ふと立ち寄った深夜の無人駅で、春菜は“駅長帽をかぶった黒猫”と出会う。

その猫に導かれるまま列車に乗ると、そこは「記憶の駅」を巡る不思議な夜行列車だった。

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