灰色の囁き

ホラー・パニック

音匣/著
灰色の囁き
作品番号
1744067
最終更新
2025/01/27
総文字数
4,845
ページ数
9ページ
ステータス
完結
いいね数
0
雨はいつも、静かに心を締め付ける。
アカリはバスの窓越しに外を見つめ、雨粒がガラスを滑り落ちる様子を追っていた。都会の喧騒を離れ、たどり着いたのは地図にもろくに載っていない小さな町、灰霧町。
人口は数百人、古びた建物が軒を連ね、どこか時間が止まったような場所だった。

「静かに暮らせるって聞いたけど……思ったよりも寂しい町ね。」

町に降り立った瞬間、ふわりと湿気を含んだ冷たい風が彼女を迎えた。人気のない細い路地、曇り空の下で沈黙する森のシルエット。何かが不自然に静まり返っている。

アパートに向かう途中、道端に立つ老婆と目が合った。老婆はじっとこちらを見つめていた。無表情で何かを言いかけるように口を動かすが、すぐに目を伏せ、去ってしまう。
真夜中、窓の外ではまだ雨が降り続いている。いや、それだけじゃない。

耳元で囁くような音が聞こえたのだ。
あらすじ
都会から逃れ、静かな暮らしを求めて引っ越してきたアカリ。
だが、森に現れる「灰色の小道」で、自分自身の声が囁く奇妙な体験をする。
町に古くから伝わるその道は、人々の心に潜む罪や後悔を暴き、決して戻れなくさせる。

その真相を追うアカリだったが、次第に彼女自身の過去と囁きの影が交錯し始める。

小道の奥に潜む“影”とは何なのか?
彼女はその恐怖から逃れられるのか──
すべてが静かに狂い始める。

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