「アリア様。先ほど言っていたハノスの特殊任務とは一体何なんですか？」

ハノスの名前を聞いた私は、被っているフードの中からジュースの顔を蒼い瞳に映す。

私は楽しそうに会話を続けている三人を横目でみながら、小さな声で彼に耳打ちする。

「あまりここでは詳しくお話出来ないんですけど、どうやらNOVA(ノヴァ)のメンバーが近くにいたそうなんです」

「NOVAが……？」

NOVAと言う言葉を聞いたジュースは、軽く目を細める。

「彼らの目的は分かりませんが、詳しいことはまたハノスから聞きましょう。それにこれから緊急会議が開かれます。なので、私たちは」

「……分かりました。あいつが簡単に殺される事なんてないと思いますけど、アリア様もあまり心配しすぎますと、お体によくありません」

ジュースはそう言うと心配そうに私を見て来くる。

そんな彼の姿に申し訳ないと思いながら、それを表に出そうとせずただ笑い返した。

「はい、分かっています。心配してありがとう、ジュース。それでは、会議に行きますよ」

「はい。ランスさん、後の事をお願いします」

ジュースの呼びかけに、ランスさんたちは私たちへと目を向ける。

そして私たちがこれから会議に行くのだと悟ると、軽く左手を上げてひらひらと手を振った。

その姿を見た私たちは、そのまま会議が行われる階へ向かって歩き出した。