蒼の死神――
その名の由縁が『蒼い瞳』から来ているのは紛れもない事実だ。
しかし『彼女』がその名で呼ばれるようになったのは、何もそれだけではない。
死神は『生命を司る者』とも言われ、または『死んだ者の魂の行先を導く者』とも言われている。
全身を真っ黒のマントで覆い、大きな大鎌を持ったその姿は、まさに今の彼女を指しているとも言える。
彼女は自身の武器である大鎌を振りかざし、容赦なくアビスの首を狩る。一見その姿は容赦がなく、残虐的に見て取れるだろう。
しかし彼女はただアビスを殺すのではなく、アビスに喰われて死んだ者たちの魂を救うために、大鎌を振り下ろしているんだ。
でもそんなこと、一部の者を除いてはほとんどの者たちが知らない。
だから周りから恐れられ、誰一人として自分から彼女に歩み寄ろうとする者はいなかった。
そう、仲間たちを除いてはだ。
今の彼女にとって唯一の拠り所は、仲間たちと過ごす事だと言っても過言ではない。
彼女たちが所属するSEED第一特務部隊は、他部隊よりも遥かに強く実力派が集まった者たちで構成されている。
そしてまた、多くの死者を出している部隊でもある。
第一特務部隊は実力派揃いの部隊でもあるが故に、最も危険な任務に就く事が多い。そのため、アビスとの戦いでも常に最前線を陣取り、多くのアビスを葬り去ってきた。
戦いの中で死者を出さずに生還する事は難しい事だ。
部隊の中で誰かが死ぬ度に彼女は直ぐに人員を増やして、決して戦力が衰えないようにしてきていた。
しかしここ数カ月、部隊の中から死者が出ることはなかった。
なぜ、今まで多くの死者を出して来ていた部隊から、パタリと死者が出なくなったのか。
それは蒼の死神である『アリア・グレイシス』が、『誰一人として死なせずに帰る』と言う、部隊内ルールを作った事がきっかけだった。
また部隊のメンバーたちを一からもう一度見直し、この部隊に適応がある者たちを選び直した。
部隊内にルールを作り、メンバーも一新された第一特務部隊はそれ以降、死者を一人も出していない。
周りから見れば、彼女が作ったルールを破った者は、容赦なく部隊追放を言い渡されると思っているから、みんな破るのが怖く必死に戦っているんだと、そう思っている者が多い。
しかし、決してそんなことはない。
むしろ、ルールを作った当の本人は『守れる範囲で大丈夫です』と言っているくらいだ。
俺たちは、彼女の事を心から慕っている。だからこそ、アリアを悲しませたくないと強く考えている。
みんなが心からそう強く思うほどに、彼女は俺たちにとってかけがえのない存在なんだ。
だから彼女の望みにこたえたくなる。
だって彼女もまた、俺たちを死なせないために戦って来た。
その名の由縁が『蒼い瞳』から来ているのは紛れもない事実だ。
しかし『彼女』がその名で呼ばれるようになったのは、何もそれだけではない。
死神は『生命を司る者』とも言われ、または『死んだ者の魂の行先を導く者』とも言われている。
全身を真っ黒のマントで覆い、大きな大鎌を持ったその姿は、まさに今の彼女を指しているとも言える。
彼女は自身の武器である大鎌を振りかざし、容赦なくアビスの首を狩る。一見その姿は容赦がなく、残虐的に見て取れるだろう。
しかし彼女はただアビスを殺すのではなく、アビスに喰われて死んだ者たちの魂を救うために、大鎌を振り下ろしているんだ。
でもそんなこと、一部の者を除いてはほとんどの者たちが知らない。
だから周りから恐れられ、誰一人として自分から彼女に歩み寄ろうとする者はいなかった。
そう、仲間たちを除いてはだ。
今の彼女にとって唯一の拠り所は、仲間たちと過ごす事だと言っても過言ではない。
彼女たちが所属するSEED第一特務部隊は、他部隊よりも遥かに強く実力派が集まった者たちで構成されている。
そしてまた、多くの死者を出している部隊でもある。
第一特務部隊は実力派揃いの部隊でもあるが故に、最も危険な任務に就く事が多い。そのため、アビスとの戦いでも常に最前線を陣取り、多くのアビスを葬り去ってきた。
戦いの中で死者を出さずに生還する事は難しい事だ。
部隊の中で誰かが死ぬ度に彼女は直ぐに人員を増やして、決して戦力が衰えないようにしてきていた。
しかしここ数カ月、部隊の中から死者が出ることはなかった。
なぜ、今まで多くの死者を出して来ていた部隊から、パタリと死者が出なくなったのか。
それは蒼の死神である『アリア・グレイシス』が、『誰一人として死なせずに帰る』と言う、部隊内ルールを作った事がきっかけだった。
また部隊のメンバーたちを一からもう一度見直し、この部隊に適応がある者たちを選び直した。
部隊内にルールを作り、メンバーも一新された第一特務部隊はそれ以降、死者を一人も出していない。
周りから見れば、彼女が作ったルールを破った者は、容赦なく部隊追放を言い渡されると思っているから、みんな破るのが怖く必死に戦っているんだと、そう思っている者が多い。
しかし、決してそんなことはない。
むしろ、ルールを作った当の本人は『守れる範囲で大丈夫です』と言っているくらいだ。
俺たちは、彼女の事を心から慕っている。だからこそ、アリアを悲しませたくないと強く考えている。
みんなが心からそう強く思うほどに、彼女は俺たちにとってかけがえのない存在なんだ。
だから彼女の望みにこたえたくなる。
だって彼女もまた、俺たちを死なせないために戦って来た。