青黒のマントを羽織った人物は、目の前に手をかざすと種結晶を共鳴させて、目の前に大きな大鎌を出現させる。
目の前に悠々と浮かぶ大鎌を両手で掴んだ人物は構える体勢に入ると、そのままアビスが一瞬きした瞬間には、目の前に姿を現していた。
「――っ!」
その光景に、アビスは恐怖を感じて顔を引きつらせる。
音なんて一切聞き取れなかった。ただ本当にその一瞬、青黒のマントを羽織った人物は、アビスの目の前に姿を現したのだ。
そして大鎌を大きく構えると、右から左へと思い切り振り切りアビスの体を真っ二つに斬り捨てた。
真っ二つにされたアビスの体は、そのまま雪の上に落ちると、草木が枯れて行くように色をなくしてから、そのまま灰となって消えてしまった。
その光景を見ている事しか出来なかった四人は、ホッとした表情を浮かべると、青黒のマントを羽織った人物へと体の向きを変えた。
「いや~悪かったな『隊長』。今回は新人研修も含めて、俺たちで何とかしようと思っていたんだが……すまなかったな」
隊長と呼ばれた人物は、手の中にあった大鎌をしまうと四人の方へと向き直った。
「大丈夫ですよ、ランスさん。むしろ間に合って良かったと思っていますから」
「しかし……あなたの手を煩わせてしまいました。本当に申し訳ありません!」
そう言ってジュースは、申し訳なさそうにしながら深々と頭を下げた。
「ジュース……もう、相変わらずなんだから。ほら、頭を上げてください」
「し、しかし……」
ジュースは納得がいかないように表情を歪めた。
そんなジュースを見たその人は、マントの中で軽く笑う。
「ヨシュアもお疲れ様でした。この部隊に入って初めての任務だったのに、よく頑張ってくれました」
「き、恐縮です! じ、自分はまだまだ未熟者ですけど、みなさんのお役に立てるように、これからも精一杯頑張らせていただきます!」
「ええ、お願いします。ハノスも、急な命令だったのに動いてくれてありがとう」
「……」
その言葉にハノスは小さく頷くと、その場に居た四人を残して姿を消してしまう。そんな彼を見送った青黒のマントを羽織ったその人は、森に向かって歩き出す。
「では、サテラと合流して本部に戻りますよ」
「はい!」
その言葉に全員が頷き、森に向かって再び歩き始める。
すると昇ってきた朝日が、彼らの行く道を照らすように森に向かって朝の光を伸ばしていく。
「へぇ~あれが『蒼の死神』か」
俺は顔をに付けていたスコープを取ってから、その名前を口にしてニヤリと笑った。
「ちょっとキース! いい加減にしてよ! もうギリギリだってば!」
と、後ろの方で青ざめた表情を浮かべている仲間を無視しながら、俺は本人確認を取るためにもう一度スコープを付けて、鞄の中から『SEED名簿リスト』と言う名の手帳を取り出した。
「え~と、まずあいつは――」
槍を肩に担ぎながら歩いている長身の男、名は『ランス・ライトルージュ』
種結晶の種類は『守型』であり、普段はヘラヘラとして余裕をかましているように振舞っているが、ああ見えて部隊の中で一番周りの事をよく見ている。
さっきの戦闘でも、直ぐにアビスにとどめを刺さなかったのは、変異すると読んでいたからだろう。
まぁ、見事にその読みが当たってくれたおかげであいつらは命拾いしたってわけだ。
そんなランスの隣を歩きながら、周囲に目を配っている少年は『ヨシュア・ノヴァーリス』。
種結晶の種類は『安定型』。
彼はつい最近あの部隊に配属されたばかりで、今回が初任務だった。
ヨシュアを指名したのはあの死神さんらしいが、なぜ彼を推薦したのかは不明。
しかし初任務でアビスの片腕を切り落とすあの技術は、少し警戒しておいた方がよさそうだな。
目の前に悠々と浮かぶ大鎌を両手で掴んだ人物は構える体勢に入ると、そのままアビスが一瞬きした瞬間には、目の前に姿を現していた。
「――っ!」
その光景に、アビスは恐怖を感じて顔を引きつらせる。
音なんて一切聞き取れなかった。ただ本当にその一瞬、青黒のマントを羽織った人物は、アビスの目の前に姿を現したのだ。
そして大鎌を大きく構えると、右から左へと思い切り振り切りアビスの体を真っ二つに斬り捨てた。
真っ二つにされたアビスの体は、そのまま雪の上に落ちると、草木が枯れて行くように色をなくしてから、そのまま灰となって消えてしまった。
その光景を見ている事しか出来なかった四人は、ホッとした表情を浮かべると、青黒のマントを羽織った人物へと体の向きを変えた。
「いや~悪かったな『隊長』。今回は新人研修も含めて、俺たちで何とかしようと思っていたんだが……すまなかったな」
隊長と呼ばれた人物は、手の中にあった大鎌をしまうと四人の方へと向き直った。
「大丈夫ですよ、ランスさん。むしろ間に合って良かったと思っていますから」
「しかし……あなたの手を煩わせてしまいました。本当に申し訳ありません!」
そう言ってジュースは、申し訳なさそうにしながら深々と頭を下げた。
「ジュース……もう、相変わらずなんだから。ほら、頭を上げてください」
「し、しかし……」
ジュースは納得がいかないように表情を歪めた。
そんなジュースを見たその人は、マントの中で軽く笑う。
「ヨシュアもお疲れ様でした。この部隊に入って初めての任務だったのに、よく頑張ってくれました」
「き、恐縮です! じ、自分はまだまだ未熟者ですけど、みなさんのお役に立てるように、これからも精一杯頑張らせていただきます!」
「ええ、お願いします。ハノスも、急な命令だったのに動いてくれてありがとう」
「……」
その言葉にハノスは小さく頷くと、その場に居た四人を残して姿を消してしまう。そんな彼を見送った青黒のマントを羽織ったその人は、森に向かって歩き出す。
「では、サテラと合流して本部に戻りますよ」
「はい!」
その言葉に全員が頷き、森に向かって再び歩き始める。
すると昇ってきた朝日が、彼らの行く道を照らすように森に向かって朝の光を伸ばしていく。
「へぇ~あれが『蒼の死神』か」
俺は顔をに付けていたスコープを取ってから、その名前を口にしてニヤリと笑った。
「ちょっとキース! いい加減にしてよ! もうギリギリだってば!」
と、後ろの方で青ざめた表情を浮かべている仲間を無視しながら、俺は本人確認を取るためにもう一度スコープを付けて、鞄の中から『SEED名簿リスト』と言う名の手帳を取り出した。
「え~と、まずあいつは――」
槍を肩に担ぎながら歩いている長身の男、名は『ランス・ライトルージュ』
種結晶の種類は『守型』であり、普段はヘラヘラとして余裕をかましているように振舞っているが、ああ見えて部隊の中で一番周りの事をよく見ている。
さっきの戦闘でも、直ぐにアビスにとどめを刺さなかったのは、変異すると読んでいたからだろう。
まぁ、見事にその読みが当たってくれたおかげであいつらは命拾いしたってわけだ。
そんなランスの隣を歩きながら、周囲に目を配っている少年は『ヨシュア・ノヴァーリス』。
種結晶の種類は『安定型』。
彼はつい最近あの部隊に配属されたばかりで、今回が初任務だった。
ヨシュアを指名したのはあの死神さんらしいが、なぜ彼を推薦したのかは不明。
しかし初任務でアビスの片腕を切り落とすあの技術は、少し警戒しておいた方がよさそうだな。