「おいおい、ジュース。先に突っ込んで行くことには目を瞑ってやるけどよぉ、手柄を独り占めする事には賛成できないなぁ」
いつの間にかアビスの背後には、槍を構えたランスが立っていて、軽く笑みを浮かべていた。
そんなランスの姿にジュースは溜め息をつく。
「ランスさん、今は任務中なんですよ。そんなヘラヘラとしていて、アビスに種結晶を奪われても知りませんよ」
「ご忠告ありがとな。でも俺には俺のペースってもんがあるんだ。だからお前みたいに、猪突猛進に行かないだけさ」
その言葉に少なからずイラッとしたジュースは、ランスを軽く睨みつける。
そんな二人のやり取りを見ていたアビスが、今度はランスに狙いを定めると右手を構えて走って行く。
「おいおい、二人で話していないで俺も話に混ぜろだって? 嫌だなぁ、別にあんたの事を無視していたわけじゃないんだぜ」
ランスは肩に担いでいた槍を構え直すと、それを大きく左から右にかけて振りきる。
アビスはジャンプして槍を避けると、今度こそランスの中にある種結晶目掛けて右腕を突き出した。
しかしそれを邪魔するように、どこからか飛んできた剣がアビスの突き出された右腕を切断した。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
右腕を切断された瞬間に走った痛みで、アビスは雪の上に落下するとその場で転がり回った。
「おっ! ナイスだぜ、ヨシュア!」
「あ、ありがとうございます」
ヨシュアは自分のところに戻って来た剣をキャッチすると、雪の上でゴロゴロと転がっているアビスへと視線を移す。
「あの、ランスさん。今がとどめを刺すチャンスだと思うんですけど?」
「んん? あぁ……確かに今ならアビスにとどめを刺す事は簡単だぁ。だけどよぉ……」
ランスがヨシュアの言葉に表情を歪めた時、雪の上で転がり回っていたアビスが、突然ピタリと動きを止めた。
「えっ!?」
そしてヨロヨロと立ち上がると、ヨシュアによって切断された右腕から、真っ黒なツルが体を突き破って姿を現した。
「うわぁぁ! な、何ですかあれ?!」
真っ黒はツルは、触手のようにウネウネと体をくねらせている。
ランスは真っ黒はツルを軽く睨みつける。
「やっぱりなぁ、あいつはアビスの変異種の一つ『アビス触手型』だ。いいかぁ、ヨシュア。あのツルだけには絶対に捕まるなよ。捕まったら最後、自分の種結晶を奪われて死ぬ事になるからなぁ」
ランスの言葉にヨシュアはごくりと唾液を飲み込むと、小さく震えながらも双剣を構えた。
「わ、分かりました」
するとアビスの様子を伺っていたジュースが、剣を構えると走りだす。
その事に気がついたアビスは、ジュースに向かってツルを伸ばし始める。
ジュースは自分に伸ばされたツルを切り捨てて行きながら、アビスとの距離を縮めていく。
そしてアビスとの距離が数メートルまで来たところで、ジュースは一気にとどめを刺すために種結晶に力を込めると、思い切り足を踏み込んでアビスの目の前に迫った。
「じ、ジュースさん、凄いです!」
ジュースの動きにヨシュアが瞳を輝かせながら見ている横で、ランスは表情を歪めた。
「いや……」
嫌な予感がランスの中で過る。
「これで、終わりだ!」
剣の切っ先がアビスの左胸の心臓目掛けて突き出された時、アビスがニヤリと笑みを浮かべた。
いつの間にかアビスの背後には、槍を構えたランスが立っていて、軽く笑みを浮かべていた。
そんなランスの姿にジュースは溜め息をつく。
「ランスさん、今は任務中なんですよ。そんなヘラヘラとしていて、アビスに種結晶を奪われても知りませんよ」
「ご忠告ありがとな。でも俺には俺のペースってもんがあるんだ。だからお前みたいに、猪突猛進に行かないだけさ」
その言葉に少なからずイラッとしたジュースは、ランスを軽く睨みつける。
そんな二人のやり取りを見ていたアビスが、今度はランスに狙いを定めると右手を構えて走って行く。
「おいおい、二人で話していないで俺も話に混ぜろだって? 嫌だなぁ、別にあんたの事を無視していたわけじゃないんだぜ」
ランスは肩に担いでいた槍を構え直すと、それを大きく左から右にかけて振りきる。
アビスはジャンプして槍を避けると、今度こそランスの中にある種結晶目掛けて右腕を突き出した。
しかしそれを邪魔するように、どこからか飛んできた剣がアビスの突き出された右腕を切断した。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
右腕を切断された瞬間に走った痛みで、アビスは雪の上に落下するとその場で転がり回った。
「おっ! ナイスだぜ、ヨシュア!」
「あ、ありがとうございます」
ヨシュアは自分のところに戻って来た剣をキャッチすると、雪の上でゴロゴロと転がっているアビスへと視線を移す。
「あの、ランスさん。今がとどめを刺すチャンスだと思うんですけど?」
「んん? あぁ……確かに今ならアビスにとどめを刺す事は簡単だぁ。だけどよぉ……」
ランスがヨシュアの言葉に表情を歪めた時、雪の上で転がり回っていたアビスが、突然ピタリと動きを止めた。
「えっ!?」
そしてヨロヨロと立ち上がると、ヨシュアによって切断された右腕から、真っ黒なツルが体を突き破って姿を現した。
「うわぁぁ! な、何ですかあれ?!」
真っ黒はツルは、触手のようにウネウネと体をくねらせている。
ランスは真っ黒はツルを軽く睨みつける。
「やっぱりなぁ、あいつはアビスの変異種の一つ『アビス触手型』だ。いいかぁ、ヨシュア。あのツルだけには絶対に捕まるなよ。捕まったら最後、自分の種結晶を奪われて死ぬ事になるからなぁ」
ランスの言葉にヨシュアはごくりと唾液を飲み込むと、小さく震えながらも双剣を構えた。
「わ、分かりました」
するとアビスの様子を伺っていたジュースが、剣を構えると走りだす。
その事に気がついたアビスは、ジュースに向かってツルを伸ばし始める。
ジュースは自分に伸ばされたツルを切り捨てて行きながら、アビスとの距離を縮めていく。
そしてアビスとの距離が数メートルまで来たところで、ジュースは一気にとどめを刺すために種結晶に力を込めると、思い切り足を踏み込んでアビスの目の前に迫った。
「じ、ジュースさん、凄いです!」
ジュースの動きにヨシュアが瞳を輝かせながら見ている横で、ランスは表情を歪めた。
「いや……」
嫌な予感がランスの中で過る。
「これで、終わりだ!」
剣の切っ先がアビスの左胸の心臓目掛けて突き出された時、アビスがニヤリと笑みを浮かべた。