私は、子供の頃から本が好きだった。
 小学生の時は同じく読書が好きな子と話が合い、盛り上がっていたし。興味ない子とも、学校の話をして仲良くしていた。
 高学年の頃になると、推し活やSNSをやり始める子も居たけどまだ少数で、そうゆうことは関係なくみんなで仲が良い。そんなクラスだった。
 しかし中学生になり周りがスマホを持ち始めると、小学生の頃と変わり、あの緩い雰囲気はなくなっていった。
 クラスメイト全員がスマホで写真を撮ってSNSにあげ、「推し」と呼ばれる人を見つけて騒いでいて。もう、本を読んでいる人は居なかった。

 でも、それでも良いと思っていた。
 別に趣味が違っても、他に話すことはいくらでもある。
 学校のこと、テストのこと、ドラマのこと、いくらでも。

 だけどその考えは甘くて。みんなと違う私は、クラスで浮いた存在となった。
 当然傷付いていたけど、それで良かった。
 私は私。
 本が好きな自分を通し、堂々と学校生活を送る。
 そう決めていたけど、それを折る出来事があった。

「友達を作りなさい」
「歩み寄る努力も必要」
「どうして普通に出来ないの?」
 その言葉は、私を縛り付ける呪いだった。