桜の蕾が出来る頃、僕は本当の天国へ旅立った。
 最期は、家族と一葉に見守られながらだった。最期まで僕は本当に幸せだった。だから、後は本当の天国から願っていよう。君が幸せに過ごし続けられることを。

 僕がこの世界からいなくなっても、桜は関係なしに美しく満開に変わっていく。そんな桜の写真を撮る制服の女の子。

「一葉ー!早くしないと、高校遅れるよー!」
「はーい、今行くー!」

 今日も少しでも楽しいことを探す女の子がここに一人。きっと、これからも進んで行く。


fin.