寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した

青春・恋愛

海咲雪/著
寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
作品番号
1727724
最終更新
2024/09/25
総文字数
85,253
ページ数
36ページ
ステータス
完結
いいね数
7
この作品は「頻発性哀愁症候群」を改稿・長編化したものです。

[この物語はフィクションです。病名等は全て架空の設定です]
あらすじ
【頻発性哀愁症候群】ーーー度々「寂しい」という感情に襲われる病。「寂しさ」の度合いは人それぞれだが、酷いと日常生活にまで支障を起こす。

頻発性哀愁症候群に悩まされる奈々花は、高校の入学式で同じ症状に苦しむ菅谷に出会う。菅谷はクラスの中心にいるような人物で、人と関わるのを恐れている奈々花とは真逆の人物だった。そんな二人が出会って……

「寂しがり屋」の二人は今日も手を繋いだまま勇気を出すから。

この作品のレビュー

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この作品の感想ノート

お疲れ様です! 拝読させて頂きました!
僭越ながら、感想を残させて頂きます。

まずは「頻発性哀愁症候群」この発想は凄く秀逸だなと感じました!人間生きていく上で、人との繋がりは切り離す事のできないもので、それは良薬でもあり、仇ともなる。繋がりがあるからこそ、同時に寂しさもある。その寂しさにどうしようもなく打ちのめされそうな時、やはり必要となるのは人の温かさ。そんな人間らしさをもっと深く、色濃く抽出されたこの物語こそ、人生の良薬と呼ぶに相応しいと感じました。

そして、川崎さんが最初に定めた人に迷惑をかけないという目標もまた、共感できる部分があり、それ即ち、人間不信とまでは行かなくとも、人を信用する事が難しい事だと思います。その川崎さんの心を溶かしたのもまた、屈託なく向けられる、友人達の愛と、同じ境遇に苦しむ大切な仲間という存在であり、再び人と人との繋がりを意識させられました。

川崎さんが再び筆を持ち、生き生きと描くキャンバスの中には、何よりも大切な友人達の姿。川崎さんの心をそのまま投影したようなその絵画は、何よりも命として輝きを纏って、賞という形で評価されたのだろうと感じ、それはつまり、川崎さん自身、そしてそれを取り巻く人々へ贈られる称賛のように感じて、心がじんわりと温かくなりました。

菅谷くんもはじめ、美坂さん、草野くん、お母さん、看護師さん、先生達など、人の温かみと、寂しさの在り方と、それに伴う人と人の繋がりの強さを学べるような素敵な物語でした!

素敵なお時間を頂きありがとうございました!
これからもご無理のない範囲での活動、頑張ってください!🍅

2024/11/27 14:55

感想ノート、失礼します。

人よりも寂しさを酷く感じてしまい、時には消えてしまいたいと願ってしまう。
周りに救われていることと、迷惑をかけていることを同時に感じてしまう。
どれもつらいことで、奈々花がどんなふうに掬い上げられていくのか気になって、読み進める手が止まりませんでした。
どんなに“大丈夫”と言われても、無意識に誰にも理解されていない、独りで立ち向かっているような気がしていたであろう奈々花にとって、菅谷くんとの出会いは、大きな変化のきっかけだったのだと思います。
同じ病を抱えていて、それでも前に進む姿は、間違いなく希望だっただろうな、と。
お互いに助け合っている関係性は、とても素敵だなと思いました。
今後、恋愛関係に発展していくのかもしれませんが、なによりもまずは、友達として、仲間として関係を深めていく彼らが過ごす時間が、とても眩しく感じました。
病を抱えていても、自分らしくいていい。好きなように生きていい。
そう感じることができた奈々花が、病を乗り越える日もきっと、遠くないんだろうなと感じることができるラストも良かったです。

素敵な物語を、ありがとうございました!

2024/09/15 10:44

この作品のひとこと感想

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