「木ノ芽さんっ!?」
「藍だってば。名前で呼んでくれるまで、放してあげない」
二人の様子を見ていた周りの生徒から、ざわざわとざわめきが広がる。
なんでこうなった。
間違ったことはわかるが、何を間違ったのかわからない陽介はひたすら動揺する。
「わ、わかった! わかったから離してよ、藍さん」
「藍」
「あ……藍!」
真っ赤な顔で陽介が言うと、ようやく満足したように笑顔になって藍はその腕から離れた。
「ん。これからもそう呼んで。呼んでくれなかったら……」
「くれなかったら?」
わざとらしく言った藍を、陽介は逃げ腰になりながら聞き返す。
「おんぶお化けになって陽介君にとりついてやる!」
「……は?!」
「じゃあね」
きゃっきゃと友人と話しながら、藍は教室の中に入っていった。結局陽介は、夕べの少女が木ノ芽藍本人なのかの確認をすることはできなかった。
「藍だってば。名前で呼んでくれるまで、放してあげない」
二人の様子を見ていた周りの生徒から、ざわざわとざわめきが広がる。
なんでこうなった。
間違ったことはわかるが、何を間違ったのかわからない陽介はひたすら動揺する。
「わ、わかった! わかったから離してよ、藍さん」
「藍」
「あ……藍!」
真っ赤な顔で陽介が言うと、ようやく満足したように笑顔になって藍はその腕から離れた。
「ん。これからもそう呼んで。呼んでくれなかったら……」
「くれなかったら?」
わざとらしく言った藍を、陽介は逃げ腰になりながら聞き返す。
「おんぶお化けになって陽介君にとりついてやる!」
「……は?!」
「じゃあね」
きゃっきゃと友人と話しながら、藍は教室の中に入っていった。結局陽介は、夕べの少女が木ノ芽藍本人なのかの確認をすることはできなかった。