「木暮、先生……」
そうしてあ然としている陽介の腕から藍の体を引き離すと、その両手で抱え上げる。
「先生、藍は……!」
「……簡単に言えば、オーバーヒートで強制シャットダウンしたんだ。全く、これはメンテが大変だぞ。なんてことをしてくれたんだ」
「オーバーヒート? シャットダウン?」
藍を横抱きにしたまま立ち去ろうとする木暮に、は、と陽介は我に返った。
「おい、どこに連れてくんだよ」
「安心したまえ。この子は、私の管理下にある」
「どういうことだよ、具合が悪いなら救急車とか……」
「必要ない」
そう言って背を向ける木暮の肩を、陽介がつかんだ。
「藍をどこへ連れていく!! お前、藍になにをするつもりなんだ!!」
木暮は、陽介の顔を見つめると、小さくため息をついた。
「藍もわかっている。意識があれば、何の問題もなく、私についてくるだろう」
「お前……一体……」
「私は」
混乱する陽介を木暮は無表情で見つめると、小さく告げた。
「この子の、兄だ」
☆
そうしてあ然としている陽介の腕から藍の体を引き離すと、その両手で抱え上げる。
「先生、藍は……!」
「……簡単に言えば、オーバーヒートで強制シャットダウンしたんだ。全く、これはメンテが大変だぞ。なんてことをしてくれたんだ」
「オーバーヒート? シャットダウン?」
藍を横抱きにしたまま立ち去ろうとする木暮に、は、と陽介は我に返った。
「おい、どこに連れてくんだよ」
「安心したまえ。この子は、私の管理下にある」
「どういうことだよ、具合が悪いなら救急車とか……」
「必要ない」
そう言って背を向ける木暮の肩を、陽介がつかんだ。
「藍をどこへ連れていく!! お前、藍になにをするつもりなんだ!!」
木暮は、陽介の顔を見つめると、小さくため息をついた。
「藍もわかっている。意識があれば、何の問題もなく、私についてくるだろう」
「お前……一体……」
「私は」
混乱する陽介を木暮は無表情で見つめると、小さく告げた。
「この子の、兄だ」
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