「陽介君、私と同じ保健委員だったよね?」

「え? うん」

「なのに、なんで木ノ芽さん、なの?」

「は?」

「藍」

 じ、と、自分より背の高い陽介を見上げて、木ノ芽はわざとらしく顔をしかめてみせた。


「みんな名前で呼んでくれるのに、どうして陽介君は木ノ芽なの? 私だって陽介君、って呼んでるんだから、陽介君も藍、って呼んで」

「え……ええ?!」

「なんだよ、陽介。お前、藍ちゃんとどういう関係だよ」

 面白がって見ていた諒が、にやにやとしながら横から口をはさむ。


「や、どういうもなにも」

「藍って、宇都木君のこと気に入ってたの?」

「うん、大好き」

 そういうと藍は、陽介の腕に自分の腕をからませた。