「わあ、ホント? 行きたい! ……あ」

 元気よく返事をした藍は、小首をかしげて口を開いた。

「いけない、今日はだめだった」

「じゃ、明日は?」

「うちの人に聞いてみる」

「ついでに、入部する気はない?」

「うーん、クラブとなると毎日だよね」

「うちのクラブ、一応火曜日と金曜日が活動日だけど、観測会とか定例会とかじゃないとみんなが集まることはないかな。だから、都合のいい日だけでもいいし」

「観測会とか行ってみたい! クラブのこと、相談してみるね。じゃ、また明日、ばいばーい!!」

 ひらひらと手を振ると藍は勢いよく飛び出していった。


「おう。気をつけて帰れよ」

 夕暮れに帰っていく藍の後ろ姿に、夜の藍の後ろ姿を重ねてみる。

 危ないと何度言っても藍はかたくなに陽介に家まで送らせようとしない。歩いて五分ほどだから、という藍を、陽介は不本意ながら見送るだけだ。

 飛び跳ねるように元気に帰っていくその姿を見送って、陽介も部室へと踵を返した。


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