わくわくした顔でずい、と迫られて、陽介は顔をほてらせた。

(近い近い近い!)


「いや、遊びというか……天文部」

「クラブ?」

「うん。藍って、何部?」

「私はどこも入ってないよ」

「だったら来いよ。星に興味ありそうだったから、今までの活動とか俺の撮った写真とか見せてやるよ」


 あれから、何度か夜の公園墓地に行ったが、ほとんどそのたびに藍に会った。

 天文に関する藍の造詣は、驚くほど深かった。陽介自身は、小学生の頃から星が好きでいろんな本を読みあさって知識を深めてきたつもりだったが、それをさらに上回る藍の知識に夢中になって彼女の話を聞いた。
 けれど、藍が実際に自分で観測した機会は少ないらしく、陽介の望遠鏡を熱心に覗いたり、ISSや人工衛星が空を渡っていく様子を飽きもせずに見つめたりしていた。陽介はそんな風に星を眺めている藍の姿を見るのが楽しかった。

 そんなに星が好きなら天文部に入ればもっと星の話ができるだろうと、陽介は藍を天文部に誘うことにしたのだ。