「ぼんやりとだけど、星雲の平べったいのがわかるだろ? いかにも銀河、って感じだよな。あれ、俺たちの銀河系とおなじ形なんだ。でも倍以上の大きさがあって……」
「アンドロメダ星雲の直径は約22万光年で、約10万光年の銀河系のおよそ2倍。地球からは約250万光年のかなたにあり、秒速約122kmで銀河系に接近している」
望遠鏡をのぞき込みながら淡々と告げられた言葉に、陽介は息をのんだ。
「藍……詳しいどころの話じゃないだろ。それ」
「記憶は得意なの」
「だからって……」
「知識としてはいくらでも知っている。けれど実際に見るのは初めて」
淡々としてはいるが、陽介はその言葉の中に少しばかりの感情の揺れが見える気がした。
「もしかして……藍、ちょっと感動している?」
「している」
とてもそうは思えない抑揚のない声で、藍は答えた。
「アンドロメダ星雲の直径は約22万光年で、約10万光年の銀河系のおよそ2倍。地球からは約250万光年のかなたにあり、秒速約122kmで銀河系に接近している」
望遠鏡をのぞき込みながら淡々と告げられた言葉に、陽介は息をのんだ。
「藍……詳しいどころの話じゃないだろ。それ」
「記憶は得意なの」
「だからって……」
「知識としてはいくらでも知っている。けれど実際に見るのは初めて」
淡々としてはいるが、陽介はその言葉の中に少しばかりの感情の揺れが見える気がした。
「もしかして……藍、ちょっと感動している?」
「している」
とてもそうは思えない抑揚のない声で、藍は答えた。