「すごいどきどきしてる。倒れちゃいそう」

 陽介は、はっきりとした声で言い切った。

「俺が奇跡を起こしてやる」

「陽介君」

「俺と、恋をしよう。普通の恋でいい。藍が、好きなんだ」

 くしゃりと顔をしかめた藍が目をそらした。陽介は真剣な目で口元だけほころばせた。

「奇跡を起こそう。俺たちで。この空に流星雨を降らせるくらいの。だから……っ!?」

 両手を空へと伸ばした陽介は、続く言葉を飲み込んだ。



「っ?!」

「え……?」

 つられて空を見上げた藍も、思いがけない光景に息を飲んだ。