「あれは仕方ないのよ。今日は修学旅行だし、夜もみんなと一緒だから特別なの。結構無理してるんだ」

「え? 大丈夫か?」

 慌てたように藍の顔をのぞき込んだ陽介に、藍は、ちらりと木暮の方を見てから答えた。



「大丈夫。だと思う」

「そっか。調子悪くなるようなら、すぐに言えよ」

「うん」

 それからしばらく、また二人は空を見上げていた。数個の星が流れていく。



「結構降るな、今夜」

「え、これで?」

「ああ。流れている方向からして、これはしし座流星群で間違いないし。まだ時間も早いのに、すごいラッキーだ」

「そうなんだ。陽介君が喜ぶほどの流星が見られて嬉しい」

 ちらりと陽介が隣を伺うと、空を見上げながら藍が笑んでいた。